熱傷について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
気道熱傷は、熱い空気や化学物質の吸入により気道粘膜が損傷する状態であり、鼻咽腔内の煤の付着は、煙を吸い込んだことの直接的な証拠として気道熱傷を強く示唆する所見です。気道浮腫による窒息のリスクがあるため、早期の診断と介入が求められます。
選択肢ごとの解説
- 1. 第Ⅰ度熱傷は皮膚の表皮のみが損傷を受けた状態で、発赤や軽度の腫れとともに、熱感やヒリヒリとした痛みを伴うのが特徴です。正しくは:第Ⅰ度熱傷では、患部に熱感が認められます。選びやすい理由:熱傷の程度が軽いため、症状も軽微だと誤解する可能性があります。混同注意:第Ⅰ度熱傷の症状と、より重度の熱傷(神経損傷を伴う場合など)で知覚が鈍る状態を混同するかもしれません。
- 2. 浅達性第Ⅱ度熱傷は表皮と真皮の一部が損傷しますが、真皮深層には損傷が及んでいないため、適切な治療を行えば通常は瘢痕を残さずに治癒します。ただし、色素沈着が残ることはあります。正しくは:浅達性第Ⅱ度熱傷では、通常、瘢痕を残さずに治癒します。選びやすい理由:第Ⅱ度熱傷という分類から、ある程度の皮膚損傷があり瘢痕が残ると考えがちです。特に、深達性第Ⅱ度熱傷との違いを曖昧に捉えている場合。混同注意:深達性第Ⅱ度熱傷や第Ⅲ度熱傷が瘢痕を残すことと混同しがちです。
- 3. 深達性第Ⅱ度熱傷では、真皮深層まで損傷が及んでいるため、水疱を形成しても水疱底は白っぽい、あるいはまだらな赤色(淡紅色)をしていることが多いです。これは、血流が障害されていることを示唆します。鮮やかな赤色は、浅達性第Ⅱ度熱傷に見られます。正しくは:深達性第Ⅱ度熱傷の水疱底は、白っぽいまたはまだらな赤色をしています。選びやすい理由:熱傷の種類に関わらず水疱底は発赤しているという一般的なイメージから、この選択肢を選んでしまう可能性があります。混同注意:浅達性第Ⅱ度熱傷の水疱底の様子と混同しやすいです。
- 4. 第Ⅲ度熱傷は、皮膚の全層が破壊され、皮下組織まで損傷が及ぶ状態です。この際、痛覚神経終末も破壊されてしまうため、自覚的な疼痛はほとんど感じられない、または非常に軽度であるのが特徴です。正しくは:第Ⅲ度熱傷では、神経終末の破壊により疼痛はほとんど感じられません。選びやすい理由:熱傷が重度であるほど痛みも強いという直感から、正しいと判断してしまう可能性があります。混同注意:第Ⅰ度や浅達性第Ⅱ度熱傷の強い痛みと混同しやすいです。
- 5. 正解。顔面熱傷や閉鎖空間での熱傷、あるいは火災現場での受傷などでは、熱い空気や煙を吸い込むことで気道に熱傷を負うことがあります。鼻咽腔内に煤の付着が見られるのは、気道熱傷の明確な兆候の一つであり、呼吸器系の緊急性を伴うため迅速な評価と対応が必要です。選びやすい理由:他の選択肢が明確に誤りであることがわかるため、相対的にこれが正しいと判断できます。
国試ポイント
熱傷の深達度による症状の違い(特に痛みや瘢痕形成、水疱底の状態)と、気道熱傷の重要かつ緊急性の高い所見を正しく理解しているかが問われています。
混同注意
各熱傷深度の症状(特に痛みと瘢痕)と、それぞれの熱傷の水疱底の見た目を混同しやすいです。また、重症度と痛みの強さが常に比例するわけではない点を理解していないと誤答につながります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、熱傷の分類ごとの具体的な臨床症状(特に見た目、痛み、機能予後)と、緊急性の高い気道熱傷の兆候を確実に区別できるかを確認します。
関連知識
熱傷の分類(第Ⅰ度、浅達性第Ⅱ度、深達性第Ⅱ度、第Ⅲ度)、各深達度の症状(発赤、水疱、疼痛、知覚)、瘢痕形成の有無、気道熱傷の徴候(顔面熱傷、鼻毛の焼灼、口腔内の紅斑・水疱、嗄声、喘鳴、呼吸困難、喀痰中の煤など)、治療の原則(冷却、感染予防、疼痛管理、気道確保)。