成人の正常立位姿勢で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
選択肢5は、骨盤の傾斜に関する基準を示しており、正常な立位姿勢では、上前腸骨棘と恥骨結合を結ぶ線が前額面(冠状面)と平行になることが解剖学的な指標とされています。これは骨盤のニュートラルポジションを示す重要な概念です。
選択肢ごとの解説
- 1. 腰仙角の正常値は約30度から40度とされており、10度は明らかに低い値です。正しくは:腰仙角は約30~40度である。選びやすい理由:角度に関する記述のため、具体的な数字が正しいかどうかの判断が難しい場合がある。混同注意:他の関節角度や骨盤傾斜角と混同する可能性がある。
- 2. 正常な脊柱は、頚椎と腰椎が前弯、胸椎と仙椎(仙骨)が後弯を示すS字カーブを描いています。胸椎と仙椎は後弯です。正しくは:胸椎と仙椎は後弯を示す。選びやすい理由:脊柱の弯曲に関する知識は必要だが、前弯と後弯のどちらがどの部位に当てはまるか混同しやすい。混同注意:頚椎や腰椎の前弯と混同しやすい。
- 3. 成人の立位姿勢における重心は、一般的に第2仙椎の前方に位置するとされています。仙骨の後方ではありません。正しくは:矢状面上における重心は第2仙椎の前方に位置する。選びやすい理由:重心の位置に関する知識は重要だが、具体的な場所を細かく記憶していないと判断が難しい。混同注意:仙骨のどの位置か、または他の骨や関節の位置と混同しやすい。
- 4. 正常な立位姿勢の重心線(重力線)は、一般的に外果のやや前方、足関節の中心を通過します。選択肢は「通らない」と否定しているため誤りです。正しくは:矢状面における身体の重心線は足関節中心を通る。選びやすい理由:「通らない」という否定形が誤解を招くことがある。重心線がどの関節を通るか曖昧だと判断が難しい。混同注意:重心線が通過する他の部位(膝関節、股関節など)と混同しやすい。特に「外果のやや前方」という表現との関連で混乱する。
- 5. 正解。正常な立位姿勢において、両上前腸骨棘と恥骨結合を結ぶ平面(骨盤の基準面)は、前額面(身体を前後で分ける面)とほぼ平行になります。これは骨盤の適正な傾斜を示す指標の一つです。
国試ポイント
この問題は、正常な立位姿勢における身体の各部位(脊柱の弯曲、重心の位置、骨盤の傾斜)に関する基本的な解剖学・運動学の知識を問うものです。特に具体的な数値や位置関係、平面の概念を正確に理解しているかが試されます。
混同注意
重心の位置(仙骨の前方か後方か、第2仙椎のレベルなど)、脊柱の各部位の弯曲方向(前弯と後弯)、骨盤の傾斜角度(腰仙角と前額面との関係)などが混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、脊柱の各部位の弯曲方向と、重心線が通過する主要な関節やランドマーク(外果前方、膝関節前方、股関節前方、肩関節やや後方、外耳孔前方)の具体的な位置関係を再確認する必要があります。また、骨盤の傾斜を示す指標(ASISと恥骨結合の関係、腰仙角の正常値)も重要です。
関連知識
・脊柱の生理的弯曲(頚椎前弯、胸椎後弯、腰椎前弯、仙椎後弯)とその役割。 ・重心と重心線(重力線)の概念、および正常立位姿勢における重心線の通過部位(外耳孔前方、肩関節やや後方、股関節前方、膝関節前方、足関節前方)。 ・骨盤の傾斜角度とその測定方法(腰仙角、骨盤傾斜角、ASIS-PSISレベルの差など)。 ・解剖学的平面(矢状面、前額面、水平面)の定義とその応用。