右膝の内側面を図に示す。矢印の筋の作用で正しいのはどれか。2つ選べ。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
下図で矢印が示しているのは縫工筋です。縫工筋は、起始が上前腸骨棘、停止が脛骨粗面の内側下方(鵞足部)であり、股関節と膝関節の両方をまたぐ二関節筋です。その走行から、股関節では屈曲、外転、外旋の作用を、膝関節では屈曲の作用を持ちます。選択肢の中でこれらの作用に合致するのは、『3. 股関節の外旋』と『5. 膝関節の屈曲』です。
選択肢ごとの解説
- 1. 縫工筋は股関節の屈曲作用を持ち、伸展作用はありません。正しくは:股関節の屈曲選びやすい理由:膝関節の動きに集中しすぎると、股関節の作用を見落としがちになるかもしれません。混同注意:大殿筋やハムストリングスなど、股関節伸展筋群の作用と混同しやすいです。
- 2. 縫工筋は股関節の『外転』の作用も持ちますが、『内転』は主な作用ではありません。むしろ股関節を外転位から内転方向へ動かす際に拮抗筋として機能します。正しくは:股関節の屈曲、外転、外旋選びやすい理由:膝の内側にあるため、内転筋群と誤認しやすいかもしれません。混同注意:大内転筋、長内転筋、短内転筋など、純粋な股関節内転筋群の作用と混同しやすいです。
- 3. 正解。縫工筋は、その走行から股関節を外旋させる作用を持ちます。特に屈曲位での外旋に寄与します。選びやすい理由:複数の作用を持つため、外旋作用が認識されにくい場合がありますが、これは重要な作用の一つです。
- 4. 縫工筋は膝関節の屈曲作用を持ち、伸展作用はありません。正しくは:膝関節の屈曲選びやすい理由:大腿四頭筋と同じ大腿前部に位置するため、膝伸展筋と誤解しやすいかもしれません。混同注意:大腿四頭筋(大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋)の膝関節伸展作用と混同しやすいです。
- 5. 正解。縫工筋は膝関節を屈曲させる主要な筋の一つです。膝の内側を通過し、脛骨の内側に付着することでこの作用を発揮します。選びやすい理由:大腿前部の筋であるため、膝伸展のイメージが先行しがちですが、膝関節での作用は屈曲です。
国試ポイント
画像から特定の筋(縫工筋)を同定し、その筋の複数の関節における主要な作用を正確に理解しているかを問う問題です。二関節筋の作用を多角的に把握していることが重要となります。
混同注意
縫工筋は大腿前部に位置しますが、大腿四頭筋のように膝関節の伸展には関与せず、むしろ屈曲作用を持つ点が誤解されやすいです。また、内転筋群に近い位置にあるため、股関節の内転作用があると誤認されやすいですが、実際は外転作用を持ちます。大腿筋膜張筋との起始部が近く、一部機能が似る点も混乱を招く可能性があります。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の問題が出た場合は、まず画像から筋を正確に特定し、次にその筋が通過する関節とその走行をイメージすることで、どの関節でどのような作用を持つかを判断する。特に二関節筋の場合は、各関節での作用を細かく確認することが重要です。
関連知識
鵞足(縫工筋、薄筋、半腱様筋の付着部)の機能解剖。二関節筋の特性と、単関節筋との作用の違い。各関節の主要な動きに関わる筋群。筋の起始・停止とその走行から作用を類推する能力。