うつ病患者に行った訓練を表に示す。あてはまる訓練法はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
コラム法は、認知行動療法の技法の一つであり、出来事、気分、自動思考、根拠、反証、適応的思考、最終的な気分の変化という一連の流れに沿って、ネガティブな自動思考に気づき、それらを客観的に評価し、より適応的な思考に修正していくことで、抑うつ気分を軽減することを目的とします。提示された状況の表は、まさにこのコラム法のシートに沿った構成であり、気分や自動思考の強さが軽減されていることから、この訓練が適切であることが示されています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。提示された表は、認知行動療法におけるコラム法の典型的な記録シートの形式と完全に一致しており、ネガティブな自動思考の同定、その根拠と反証の検討、適応的思考への修正、およびそれに伴う気分の改善プロセスが明確に示されています。選びやすい理由:設問の状況と完全に合致しており、迷うことなく選べるため。混同注意:他の選択肢とは明確に区別されるため、混同の余地は少ないです。
- 2. 自己教示法は、困難な状況に直面した際に自分自身に語りかけるポジティブな内言を用いる技法ですが、この表のように自動思考の検討から適応的思考への修正を段階的に記録する形式とは異なります。正しくは:自己教示法は、特定の課題遂行中や困難な状況において、「落ち着いて」「一つずつやっていこう」などと、自分自身に指示を出す形で用います。コラム法は、思考の全体的なパターンを分析し、修正します。選びやすい理由:「適応的思考」という言葉が自己教示に通じると思わせるかもしれません。混同注意:コラム法(思考の記録と修正)
- 3. 行動活性化法は、抑うつ気分によって活動量が低下している患者に対し、具体的な行動目標を設定し、活動を増やすことで気分改善を図る技法であり、思考の記録と修正に主眼を置くコラム法とは異なります。正しくは:行動活性化法は、「散歩に行く」「友人と会う」など、具体的で達成可能な行動を計画し、実行することで、達成感や喜びを感じ、抑うつ気分を改善します。問題の表は思考プロセスに焦点を当てています。選びやすい理由:うつ病患者に対する治療法の一つであるため、知識として知っている場合に選択肢として考えてしまう可能性があります。混同注意:コラム法(思考の記録と修正)
- 4. ポジティブ日誌は、日常生活の中で起こったポジティブな出来事や、自分ができたこと、感謝できることなどを記録し、ポジティブな感情や自己肯定感を高めるためのものです。問題の表はネガティブな自動思考の修正が主眼であり、内容が異なります。正しくは:ポジティブ日誌は、「今日あった良いこと」や「感謝したいこと」を記録し、ポジティブな側面に焦点を当てます。問題の表は、ネガティブな思考の構造を分析し、変容させるものです。選びやすい理由:「気分が楽になった」「前を向いていきたい」といった最終的な結果から、ポジティブな側面を記録する訓練法と誤解するかもしれません。混同注意:コラム法(ネガティブ思考の修正)
- 5. アサーショントレーニングは、相手の権利を尊重しつつ、自分の意見や感情を適切に表現するためのコミュニケーションスキルを学ぶ技法です。問題の表は、個人の内的な思考プロセスと気分の変化に焦点を当てており、他者とのコミュニケーションスキルの習得が目的ではありません。正しくは:アサーショントレーニングは、「私は〜と思う」「私は〜してほしい」という形で、自分の気持ちや要求を明確かつ建設的に伝える練習を行います。問題の表は、職場での依頼を断った後の自身の内面を扱っていますが、コミュニケーション方法の練習ではありません。選びやすい理由:「職場の同僚から仕事を依頼されましたが、その依頼を断りました」という状況が、アサーション(自己主張)と関連するように思わせるかもしれません。混同注意:コラム法(内的な思考プロセスの修正)
国試ポイント
認知行動療法の主要な技法であるコラム法の具体的な内容と効果を理解し、他の訓練法との区別を覚える必要があります。
混同注意
自己教示法やアサーショントレーニングといった他の認知行動療法関連の技法と混同しやすいですが、コラム法は特定のシート形式を用いた思考の記録と修正に特化しています。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、出来事、気分、自動思考、根拠、反証、適応的思考、気分の変化という一連の流れが示されている表の形式と、気分や思考の変容プロセスが明記されているかを確認して判断します。
関連知識
認知行動療法の基本的な概念、自動思考、中核信念、スキーマ、およびその他の主要な技法(行動活性化法、アサーショントレーニングなど)についても合わせて学習しましょう。