細胞内小器官の働きで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
ゴルジ体は、粗面小胞体で合成されたタンパク質を受け取り、糖鎖の付加や切断などの修飾を行い、選別して細胞内外の適切な場所に輸送する役割を担っている。これは、細胞の機能発現に不可欠なプロセスである。
選択肢ごとの解説
- 1. 滑面小胞体はステロイドホルモンの合成や脂質の代謝、薬物解毒、カルシウムイオンの貯蔵に関わるが、ATPを産生しない。ATPの産生は主にミトコンドリアの機能である。正しくは:滑面小胞体は脂質の合成、薬物解毒、Ca2+貯蔵などを行う。ATP産生はミトコンドリアの機能である。選びやすい理由:滑面小胞体は代謝に関与するため、エネルギー産生も行うと誤解しやすい。混同注意:ミトコンドリアのATP産生機能。
- 2. 正解。ゴルジ体は粗面小胞体で合成されたタンパク質を受け取り、糖鎖修飾などの加工、濃縮、選別を行い、最終的に適切な目的地へ輸送する。
- 3. ミトコンドリアはTCAサイクルと電子伝達系を通じてATPを産生する役割が主であり、グルコースを原料としたエネルギー産生に関わる。グリコーゲンの分解(グリコーゲン分解)は主に細胞質で行われ、ミトコンドリアの直接的な機能ではない。正しくは:ミトコンドリアはATPを産生する。グリコーゲンの分解は主に細胞質で行われる。選びやすい理由:ミトコンドリアがエネルギー代謝の中心であるため、グリコーゲン分解も含むと誤解しやすい。混同注意:解糖系や糖新生といった糖代謝経路の各ステップが起こる細胞内部位。
- 4. リソソームは細胞内の不要な物質や異物を分解する役割を持つ。タンパク質の合成は主にリボソームが行う。正しくは:リソソームは細胞内の物質を分解する。タンパク質合成はリボソームが行う。選びやすい理由:「リソソーム」という響きから、何らかの合成機能を持つと連想しやすい可能性がある。混同注意:リボソームのタンパク質合成機能。
- 5. リボソームはメッセンジャーRNAの情報を基にアミノ酸を結合させてタンパク質を合成する。細胞内部の物質を分解するのは主にリソソームである。正しくは:リボソームはタンパク質を合成する。細胞内部の物質を分解するのはリソソームである。選びやすい理由:「リボソーム」と「リソソーム」の名称が似ているため、機能を混同しやすい。混同注意:リソソームの物質分解機能。
国試ポイント
主要な細胞内小器官の名称とその基本的な機能を正確に理解する。
混同注意
各細胞小器官の機能が類似しているように見える場合があるため、特に合成、分解、エネルギー産生、貯蔵といったキーワードを混同しないように注意が必要である。
次に同じ論点が出たら
細胞内小器官の問題が出た場合、各小器官が「何を」「どのように」行っているかを具体的に問われているかを判断し、特に合成・分解・エネルギー変換・物質輸送といった主要な機能を識別する。
関連知識
細胞内小器官は互いに連携して機能しており、特に粗面小胞体、ゴルジ体、リソソーム、細胞膜はタンパク質の生合成から修飾、輸送、分解までの一連の流れに関与している。