成人期の二次障害で頸椎症性脊髄症を発症しやすい疾患はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
アテトーゼ型脳性麻痺は、不規則で予測不能な不随意運動が特徴であり、特に頭頚部の動きが頻繁に見られます。これらの反復的な異常運動は、長期間にわたって頸椎に異常なストレスと負荷をかけ、椎間板の変性や骨棘形成などの頸椎症性変化を加速させます。その結果、脊髄が圧迫され、成人期に頸椎症性脊髄症を発症するリスクが非常に高くなります。
選択肢ごとの解説
- 1. この疾患は出生時から複数の関節に拘縮が見られますが、頸椎に特異的に持続的な異常運動ストレスをかける病態ではなく、成人期の頸椎症性脊髄症の主要な二次障害とは考えにくいです。正しくは:先天性多発性関節拘縮症は、関節の可動域制限が主な特徴であり、頸椎症性脊髄症の直接的な原因とはなりません。選びやすい理由:関節の異常があるため、脊椎にも問題が生じやすいと誤解する可能性があります。混同注意:他の先天性疾患や、関節の変形を伴う疾患と混同するかもしれません。
- 2. 正解。アテトーゼ型脳性麻痺では、不随意かつ予測不能な運動が特徴であり、特に頭頚部によく見られます。これらの持続的で異常な運動は、長年にわたり頸椎に過度な機械的ストレスを与え、椎間板の変性や骨棘形成といった頸椎症性変化を促進し、結果として頸椎症性脊髄症を発症するリスクを高めます。
- 3. 痙直型脳性麻痺は持続的な筋緊張の亢進を特徴としますが、アテトーゼ型のような不随意運動による動的な頸椎への異常負荷は比較的少ないです。固定的な姿勢による脊柱変形(例:側弯症)は起こりやすいですが、頸椎症性脊髄症の直接的なリスク因子としてはアテトーゼ型ほどではありません。正しくは:痙直型脳性麻痺は、筋の過緊張による姿勢異常や関節拘縮が主な問題であり、不随意運動による頸椎への持続的な動的ストレスは限定的です。選びやすい理由:脳性麻痺の一種であるため、何らかの脊椎の問題が生じると考えるかもしれません。混同注意:アテトーゼ型との違い、特に不随意運動の有無やその影響を混同するかもしれません。
- 4. 骨形成不全症は骨の脆弱性が特徴で、骨折や脊柱の変形(側弯症、後弯症)は頻繁に見られます。しかし、頸椎症性脊髄症は主に変性性変化によるものであり、骨の脆弱性自体が直接的にその発症を促進するわけではありません。ただし、重度の場合は頭蓋底陥入や環軸椎不安定性が生じることがありますが、設問の「頸椎症性脊髄症」という表現とは異なります。正しくは:骨形成不全症は、骨の脆弱性が原因で骨折しやすい疾患であり、頸椎症性脊髄症のような変性性脊髄障害とは異なる病態です。選びやすい理由:骨の疾患であるため、脊椎の問題と結びつけやすいですが、病態が異なります。混同注意:脊椎の変形を引き起こす他の疾患や、骨がもろくなる疾患全般と混同するかもしれません。
- 5. 分娩麻痺は、出産時に腕神経叢が損傷を受けることで、主に片側の腕の運動麻痺や感覚障害が生じる疾患です。頸椎そのものの変性や脊髄の障害を直接引き起こすものではなく、頸椎症性脊髄症の二次障害とは関連が薄いです。正しくは:分娩麻痺は、腕神経叢の損傷に起因する上肢の麻痺であり、頸椎の変性による脊髄症とは直接関係ありません。選びやすい理由:頸部の損傷が原因であるため、頸椎の問題と誤解する可能性があります。混同注意:脊髄損傷や他の神経損傷と混同するかもしれません。
国試ポイント
脳性麻痺の病型ごとの特徴と、それが引き起こす二次障害に関する知識、特に長期的な身体への影響(頸椎へのメカニカルストレス)を理解しているかが問われています。
混同注意
脳性麻痺の異なる病型(特に痙直型とアテトーゼ型)の症状の違いと、それが引き起こす二次障害の違いについて混同しやすいです。また、他の骨疾患や神経疾患による脊椎への影響と誤って結びつける可能性もあります。
次に同じ論点が出たら
もし次に同じ論点が出題される場合、アテトーゼ型脳性麻痺の具体的な不随意運動の特徴や、頸椎症性脊髄症の初期症状(手指巧緻運動障害、歩行障害など)、あるいは予防的介入(装具療法、リハビリテーション)について問われる可能性があります。また、脳性麻痺の他の病型における二次障害(例:痙直型における股関節脱臼や脊柱変形)との比較問題も考えられます。
関連知識
頸椎症性脊髄症の病態生理(椎間板変性、骨棘形成、靱帯肥厚による脊髄圧迫)、脳性麻痺(アテトーゼ型、痙直型など)の病型分類とそれぞれの運動障害の特徴、長期的な合併症(二次障害)としての筋骨格系合併症。