反回神経で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
反回神経は迷走神経の枝であり、左右で走行経路が異なります。右反回神経は右鎖骨下動脈の下を回り込み、左反回神経は大動脈弓の下を回り込みます。大動脈弓は鎖骨下動脈よりも下方にあるため、左反回神経の方が胸腔内で大きく迂回し、結果的に走行距離が長くなります。この解剖学的特徴は臨床的にも重要で、特に心臓手術や食道がん手術などで損傷リスクがあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 反回神経は主に運動神経であり、味覚の伝達には関与しません。味覚は顔面神経、舌咽神経、迷走神経が担います。正しくは:味覚は顔面神経(前2/3)、舌咽神経(後1/3)、迷走神経(喉頭蓋)などが伝達する。選びやすい理由:迷走神経の一部であるため、感覚機能も持つと誤解しやすいかもしれない。混同注意:迷走神経の他の枝が感覚機能を持つことと混同しやすい。
- 2. 反回神経は迷走神経の枝であり、主に副交感神経線維と運動神経線維から構成されます。交感神経線維は含まれません。正しくは:反回神経は副交感神経線維と運動神経線維を含む。選びやすい理由:自律神経系の一部である迷走神経の枝なので、交感神経も含むと錯覚する可能性がある。混同注意:迷走神経が自律神経(副交感神経)であることと、交感神経の役割を混同しやすい。
- 3. 反回神経は迷走神経の枝であり、横隔神経から分岐することはありません。横隔神経は頚神経叢から起こり、横隔膜を支配します。正しくは:反回神経は迷走神経から分岐する。選びやすい理由:どちらも胸郭内を走行する神経であるため、混同しやすい。混同注意:横隔神経と迷走神経の解剖学的走行や起始を混同しやすい。
- 4. 輪状甲状筋は外喉頭筋の一つで、上喉頭神経の外枝によって支配されます。反回神経は他のほとんどの喉頭筋(内喉頭筋)を支配します。正しくは:反回神経は輪状甲状筋以外のほとんどの喉頭筋を支配する(例:後輪状披裂筋、側輪状披裂筋、甲状披裂筋、披裂筋)。選びやすい理由:喉頭筋を支配するという点で共通するため、特定の筋肉の支配を誤認しやすい。混同注意:上喉頭神経(特に外枝)と反回神経の支配筋を混同しやすい。
- 5. 正解。左反回神経は大動脈弓の下を回り込んで上行するのに対し、右反回神経は右鎖骨下動脈の下を回り込んで上行するため、左側の走行の方が右側よりも長くなります。選びやすい理由:左右の解剖学的構造の違いに関する知識がなければ、判断が難しいかもしれない。
国試ポイント
反回神経の基本的な解剖学(起始、走行、支配領域)が問われる。特に左右差は頻出の知識である。他の選択肢は、反回神経の機能(味覚、自律神経の種類)や他の神経との混同を狙ったもので、各神経の正確な知識が求められる。
混同注意
上喉頭神経、横隔神経、その他の迷走神経の枝との混同。特に輪状甲状筋の支配は上喉頭神経外枝である点が重要。
次に同じ論点が出たら
次に反回神経に関する問題が出題された場合、麻痺時の症状(嗄声、誤嚥)やその原因疾患(甲状腺疾患、肺がん、食道がん、大動脈瘤など)といった臨床的な側面が問われる可能性が高い。また、左右の走行の違いから、どちらの反回神経麻痺が多いか、といった応用的な知識も問われうる。
関連知識
迷走神経の機能と走行、喉頭筋の機能と神経支配(上喉頭神経と反回神経の区別)、胸郭内臓器の解剖(大動脈弓、鎖骨下動脈)。