58歳の女性。関節リウマチ。SteinbrockerのstageⅡ、class 2。この患者の日常生活活動(別冊No. 1)を別に示す。正しいのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
Steinbrocker分類のClass IIIは、セルフケア活動(基本的な日常生活動作)は自力でこなせるものの、職業に就くことは難しい状態を指します。提供された図(別冊No.1)がClass IIIを示すものであれば、この選択肢が正しい内容となります。他の選択肢は、Class IIIの定義やStage IIの病理学的特徴と矛盾する記述を含んでいます。
選択肢ごとの解説
- 1. Class IIIの患者は、いくつかの日常生活活動(ADL)において介助や補助具を必要とします。選択肢の「すべての日常生活動作を行うことができる」という記述は誤りです。正しくは:患者は職業活動は不可能ですが、基本的なセルフケア活動は自力で行うことができますが、いくつかのADLは困難であり介助や補助具を必要とします。選びやすい理由:Class IIとClass IIIの境界が曖昧に感じられると、Class IIに近いと誤解してしまいがちです。また、ADL全般を網羅するような記述に惑わされやすいかもしれません。混同注意:Steinbrocker分類のClass II(通常のADLは可能だが、職業活動は制限される)と混同している可能性があります。
- 2. 正解。Steinbrocker分類Class IIIは、「セルフケアは可能だが、職業活動は不可能」と定義されています。これは、基本的な身の回りの活動(食事、入浴など)は自分で行えるものの、仕事に従事できるほどの活動能力はないことを意味します。
- 3. Steinbrocker分類Stage IIでは、関節の軟骨や骨に破壊的変化が確認され、関節の変形が認められる場合があります。また、関節可動域の制限も生じている可能性があります。この選択肢の記述はStage IIの定義と矛盾します。正しくは:患者の関節には軟骨や骨の破壊的変化が認められ、関節の変形が生じている可能性があり、関節の動きにも制限が見られます。選びやすい理由:Class IIIの患者のADL能力に焦点を当てすぎて、Stage IIの病理学的側面を見落とすと、身体的な問題が少ないと誤解する可能性があります。混同注意:Stage I(破壊的変化なし、機能障害なし)の定義と混同している可能性があります。
- 4. Steinbrocker分類Class IIIは「セルフケアは可能」であるため、すべての身体活動で全面的な介助が必要という記述は誤りです。全面的な介助が必要なのはClass IVの患者です。正しくは:患者は一部の日常生活活動において介助を必要としますが、基本的なセルフケアは自力で行うことができます。選びやすい理由:Class IIIという重症度から、ADL全般が困難であると誤解し、過度に重い状態を想像してしまうことがあります。混同注意:Steinbrocker分類のClass IV(セルフケア、職業活動、余暇活動の全てが困難で、常に他者の介助を必要とする)と混同している可能性があります。
- 5. Steinbrocker分類Class IIIでは「職業活動は不可能」とされています。したがって、通常の職業活動が可能であるという記述は明確に誤りです。正しくは:患者は職業活動は不可能であり、余暇活動にも大きな制限があります。選びやすい理由:Class II(通常のADLは可能だが、職業活動は制限される)とClass III(セルフケアは可能だが、職業活動は不可能)の定義が混同されやすい点を利用したひっかけです。混同注意:Steinbrocker分類のClass II(通常のADLは可能だが、職業活動は制限される)と混同している可能性があります。
国試ポイント
関節リウマチのSteinbrocker分類(特にStageとClassの定義)の正確な知識が問われています。特にClassの定義、すなわち日常生活活動能力と職業活動能力の具体的な制限を理解しているかが重要です。画像参照問題形式ですが、画像の内容はSteinbrocker分類のClass情報を示すものと解釈し、その定義に基づいて判断する知識問題です。
混同注意
Steinbrocker分類のStageとClassの混同、特にClass IIとClass III、Class IIIとClass IVの区別が曖昧になりやすいです。また、病理学的変化を示すStageと、機能的障害を示すClassの関連性を正しく理解していないと、混乱を招きます。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、Steinbrocker分類の各StageとClassの具体的な定義(特に「破壊的変化の有無」「ADLの自立度」「職業活動の可否」「余暇活動の可否」)を問われる可能性が高いです。また、特定の患者像(年齢、性別、他の疾患情報)と組み合わせて、その患者に最も適切な分類を判断させる問題や、分類に基づいてリハビリテーション目標を立案させる応用問題も考えられます。さらに、HAQなどの別の機能評価スケールとの比較や、それぞれのスケールの特徴を問う問題も出題される可能性があります。
関連知識
関節リウマチの疾患概念、病態、診断基準(ACR/EULAR分類)、治療法(薬物療法、リハビリテーション)、その他の機能評価指標(HAQ、MHAQなど)。各StageとClassにおける具体的な身体所見やADL・IADLへの影響。リハビリテーションにおける評価と介入の原則。