躁病相の初期評価時に得るべき情報として適切でないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
躁病相の初期段階では、病識の欠如が特徴的であるため、患者自身が自身の問題行動を客観的に認識することは困難です。そのため、問題行動に対する本人の捉え方を初期評価で尋ねることは不適切であり、情報として得にくいばかりか、病識のない患者にとっては評価自体が困難になる可能性があります。他の選択肢は、躁病患者の治療計画やリスク管理、予後予測のために初期評価で必ず収集すべき重要な情報です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。躁病相の初期評価では、患者は病識が乏しく、自身の問題行動を客観的に捉えることが難しい場合が多いです。そのため、本人の認識を問うよりも、他者からの情報や客観的な行動観察が優先されます。初期段階でこの情報を得ることは、困難であるばかりか、評価の妨げになる可能性もあります。正しくは:問題行動の内容や頻度、他覚的な影響。選びやすい理由:患者中心のアプローチでは本人の認識を尊重することが重要視されるため、一見適切な情報収集項目に見える。混同注意:治療が進み病識が回復した段階での自己認識の評価と混同しやすい。
- 2. 躁病相の初期評価において、患者が社会で担ってきた役割(職業、家庭での役割など)は、現在の行動変化の程度を把握し、入院後の目標設定や退院後の生活再構築を考える上で非常に重要な基礎情報となります。
- 3. 既存の処方薬(特に精神科薬以外も含む)は、現在の症状に影響を与えている可能性や、新たな薬剤との相互作用、副作用のリスクを評価するために必須の情報です。診断や治療計画を立てる上で最も基本的な医療情報の一つです。
- 4. 睡眠障害(不眠、中途覚醒、睡眠時間の短縮など)は躁病の主要な症状の一つであり、病状の重症度や経過を評価するための重要な指標です。治療介入の効果判定にも用いられます。
- 5. 併存する身体疾患は、精神疾患の症状に影響を与える可能性や、精神科治療薬の選択、副作用の管理に大きく関わるため、初期評価で必ず確認すべき重要な情報です。特に高齢者や多剤服用の患者では必須です。
国試ポイント
精神疾患、特に躁病の病態生理と病識の欠如という特徴を理解しているか。急性期と回復期の評価項目や優先順位の違いを理解しているかが問われる。病識の有無が評価内容にどう影響するかを判断する能力が求められる。
混同注意
一般的な精神科評価項目と躁病急性期の特殊性。患者中心のケアと病識が欠如している状態での初期評価の区別。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、病識の有無が評価項目に与える影響や、急性期と慢性期での評価項目の優先順位の違いに注目する。特に、患者の主観的情報と客観的情報のどちらを優先すべきかという視点で問われる可能性がある。
関連知識
精神科の病歴聴取、精神症状の評価、病識の概念、躁病の診断基準(DSM-5など)、入院治療における初期評価の目的。