知的障害の原因となるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・2番
解説
ダウン症候群とネコ鳴き症候群は、いずれも染色体異常を原因とする先天性の疾患であり、その特徴として知的障害が挙げられます。コルサコフ症候群は記憶障害、ワレンベルグ症候群は脳幹の障害による神経症状、ギラン・バレー症候群は末梢神経の障害による運動・感覚麻痺が主であり、これらは知的障害とは異なる病態です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ダウン症候群(21トリソミー)は、染色体異常による代表的な遺伝性疾患であり、重度の認知機能障害を伴います。
- 2. 正解。ネコ鳴き症候群(5pモノソミー、Cri du Chat症候群)は、染色体異常による遺伝性疾患であり、特徴的な泣き声とともに重度の精神発達遅滞を伴います。
- 3. コルサコフ症候群は、ビタミンB1欠乏によって引き起こされる記憶障害を主とする疾患ですが、知的障害そのものではなく、主に記銘力障害や見当識障害が特徴です。正しくは:コルサコフ症候群は、重度の記銘力障害や作話、見当識障害を呈しますが、知能指数そのものに影響を与える知的障害とは通常区別されます。これは記憶障害の一種です。選びやすい理由:「症候群」という名称や、認知機能に関わる障害であることから、知的障害と混同しやすい可能性があります。混同注意:知的障害(発達期からの全般的な認知機能の遅れ)と、獲得性の認知症や記憶障害
- 4. ワレンベルグ症候群は、脳幹の梗塞によって引き起こされる神経症状の集合体であり、嚥下障害、めまい、顔面の感覚障害などが主な症状で、知的機能の障害は伴いません。正しくは:ワレンベルグ症候群は、脳幹外側部(延髄外側部)の梗塞によって生じる神経学的症候群であり、知能には直接影響しません。選びやすい理由:「症候群」という名称から、何らかの中枢神経疾患であり、認知機能に影響があるのでは、と推測してしまう可能性があります。混同注意:脳血管障害による身体機能障害や感覚障害と、知的障害
- 5. ギラン・バレー症候群は、末梢神経の炎症により運動麻痺や感覚障害が生じる自己免疫疾患であり、知的機能の障害は伴いません。正しくは:ギラン・バレー症候群は、急速に進行する四肢の弛緩性麻痺を主徴とする末梢神経疾患であり、知能に影響は与えません。選びやすい理由:神経系の疾患であるため、広義の「脳の病気」と誤解し、知的機能に影響があると考えてしまう可能性があります。混同注意:中枢神経系疾患による知的障害と、末梢神経系疾患による運動・感覚障害
国試ポイント
本問題は、疾患名とその主な症状・病態を結びつける基本的な知識、特に知的障害の原因となる代表的な疾患について問われています。国試では、様々な症候群や疾患が提示され、その特徴的な症状や原因を正しく識別できるかが試されます。
混同注意
「症候群」という言葉がつく疾患は多岐にわたり、神経系疾患か否か、また神経系疾患であっても中枢神経系か末梢神経系か、知能に影響するか否かを正確に理解していないと混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、特定の疾患がどのようなタイプの障害(知的障害、運動麻痺、感覚障害、記憶障害など)を引き起こすのか、その病態生理(染色体異常、脳梗塞、ビタミン欠乏など)と関連付けて解答できるかを確認します。
関連知識
発達障害全般(自閉スペクトラム症、ADHDなど)、他の染色体異常症(ターナー症候群、クラインフェルター症候群など)、先天性代謝異常症(フェニルケトン尿症など)、周産期脳障害(脳性麻痺など)についても知的障害の関連疾患として理解しておく必要があります。