精神作用物質使用による精神障害について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
モルヒネは、オピオイド系の麻薬性鎮痛薬であり、強力な鎮痛作用を持つ一方で、反復使用によって身体依存を形成します。身体依存が形成されると、薬物の使用を中止した際に、不快な身体的離脱症状(例:発汗、振戦、嘔気、下痢など)が現れます。
選択肢ごとの解説
- 1. 精神作用物質の使用による精神障害で幻覚が現れることはありますが、必ずしも必発するわけではありません。物質の種類、摂取量、個人差により症状は多岐にわたります。正しくは:幻覚が現れることがあります。選びやすい理由:いくつかの精神作用物質(例: LSD、大麻大量摂取など)では幻覚が特徴的な症状であるため、正しいと感じるかもしれません。混同注意:特定の物質によって誘発される特徴的な症状と、精神作用物質使用による精神障害全般の症状を混同している可能性があります。
- 2. アルコールは反復して摂取することで耐性を生じます。耐性とは、同じ効果を得るためにより多くの量を必要とする状態を指します。正しくは:アルコールは耐性を形成します。選びやすい理由:アルコールへの耐性形成のメカニズムを詳しく知らない場合、漠然としたイメージで誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:依存症における「耐性」の概念と、身体への影響一般を混同している可能性があります。
- 3. 正解。モルヒネなどのオピオイド系薬物は、長期的な使用により身体依存を形成します。これは、薬物の使用を中断した際に身体的な離脱症状が現れる状態を指します。正しくは:この記述は正しいです。選びやすい理由:薬物依存に関する基本的な知識がある学生にとっては、比較的選びやすい選択肢です。混同注意:精神依存と身体依存の違いを理解していないと、正確な判断ができない場合があります。
- 4. 医療用医薬品であっても、不適切な使用や乱用、あるいは治療量でも長期使用によって精神作用物質使用による精神障害を引き起こすことがあります。例として、ベンゾジアゼピン系抗不安薬や鎮痛剤などがあります。正しくは:医療用医薬品によるものも含まれます。選びやすい理由:「医薬品」という言葉から、医師の管理下で使用されるものは安全であるという誤ったイメージを持つかもしれません。混同注意:違法薬物によるものと医療用薬物によるものとを厳密に区別しすぎ、薬物依存の本質的な問題を見落としている可能性があります。
- 5. 離脱症状は、精神作用物質を長期間継続して使用していた人が、その使用を急に中止したり、減量したりした際に現れる一連の症状です。急激な摂取ではなく、急激な中止や減量で生じます。正しくは:精神作用物質の長期的な使用を急に中止したり減量したりすることで離脱症状が出現します。選びやすい理由:「急激」という言葉が強調されているため、何か体に強い変化が起こるという印象を受け、正しいと錯覚するかもしれません。混同注意:「離脱症状」の定義や発生機序を「急性中毒」と混同している可能性があります。急性中毒は急激な摂取で起こり得ますが、離脱症状とは異なります。
国試ポイント
精神作用物質使用による精神障害に関する基本的な知識(症状の多様性、耐性、依存の種類、原因物質の範囲、離脱症状の機序)が問われています。特に、各概念の定義(耐性、身体依存、離脱症状)と、具体的な物質(アルコール、モルヒネ)の特性を結びつけて理解しているかが重要です。
混同注意
耐性と離脱症状、身体依存と精神依存、急性中毒と離脱症状を混同しやすいです。また、医薬品であっても依存を引き起こす可能性がある点も見落としやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、各精神作用物質(例:覚醒剤、大麻、ベンゾジアゼピン系薬物)がどのような依存形態(精神依存、身体依存)を生じ、どのような離脱症状を引き起こすか、また特定の精神疾患(例:統合失調症様障害、気分障害)を誘発しうるかといった、より具体的な物質と症状の組み合わせを問う問題が出ると考えられます。
関連知識
アルコール依存症の定義と診断基準(ICD-10、DSM-5)、薬物依存のメカニズム(報酬系、神経可塑性)、主要な精神作用物質(アルコール、覚醒剤、大麻、幻覚剤、ベンゾジアゼピン系薬剤など)の特性と主な症状、薬物関連障害の治療とリハビリテーション。