67歳の男性。Lewy小体型認知症。退職しているにもかかわらず時々会社に行こうとするが、説明をすると納得する。「子供が部屋の中にいる」と訴えることが増えた。日常の動作は緩慢となり、歩行も困難になったため入院した。この患者に対する作業療法の際に適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
レビー小体型認知症の患者は、パーキンソン症状(歩行困難、動作緩慢、姿勢反射障害など)、起立性低血圧、幻視といった症状により転倒リスクが非常に高いです。そのため、患者本人に現在の身体状況とそれに伴う転倒の危険性を適切に伝えることは、転倒予防のための重要な介入であり、作業療法士の役割の一つです。説明の際には、患者の理解度に合わせて、不安を与えすぎないよう配慮が必要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 幻視は本人にとって現実の体験であり、訴えを否定したり正したりすると不安や混乱を強めます。
- 2. 活動量を減らすと廃用が進み、パーキンソニズムによる動作の緩慢さや歩行障害を悪化させます。
- 3. リズムのある反復動作は、パーキンソニズムの動作の改善に役立つため、避ける必要はありません。
- 4. 正解。歩行が困難で転倒の危険が高いため、転倒しやすいことを本人に伝えて注意を促すことは適切です。説明すると納得できる理解力もあります。
- 5. Lewy小体型認知症では、薄暗い環境は幻視や錯視を誘発しやすくなるため、照明を暗くするのは適切ではありません。
国試ポイント
レビー小体型認知症の主な症状(パーキンソン症状、幻視、認知変動)を理解し、それらの症状が日常生活に及ぼす影響、特に転倒リスクと、それに対する具体的な作業療法での対応が問われています。幻視への対応や、身体活動の重要性、パーキンソン症状へのアプローチに関する知識も総合的に問われる問題です。
混同注意
レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症、血管性認知症などの他の認知症の症状と対応の区別。特に幻視への対応は、他の認知症の妄想に対する対応とは異なるため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後レビー小体型認知症の問題が出題された場合、パーキンソン症状に対する具体的な介入方法(例:すくみ足への対応、リズムによる運動促進)や、幻視への具体的な接し方(例:患者の体験を受け入れる、安全確保)について、より詳細な知識が問われる可能性があります。
関連知識
レビー小体型認知症の主要な臨床的特徴:変動する認知機能、幻視、パーキンソン症状、REM睡眠行動障害。パーキンソン症状に対する理学療法・作業療法介入(リズム運動、メトロノーム使用など)。転倒予防のための環境調整や指導。