脳卒中患者の急性期の作業療法で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
脳卒中急性期の作業療法では、全身状態が安定している限り、早期からの離床や活動が推奨されます。これにより、長期臥床による筋力低下、関節拘縮、褥瘡、肺炎などの廃用症候群を予防し、心身機能の維持・改善を図ることが極めて重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 急性期においても、患者の生活歴(職業、趣味、家族構成など)は、今後のリハビリテーション目標設定や退院後の生活を見据える上で非常に重要な情報です。正しくは:急性期においても、生活歴の情報収集は今後のリハビリテーション計画立案に不可欠である。選びやすい理由:急性期は身体的な治療が優先されるため、生活歴のような社会的な情報は後回しにされがちだと誤解する可能性がある。混同注意:急性期の緊急治療と長期的なリハビリテーション計画の初期段階を混同する可能性がある。
- 2. 点滴が実施されている状態でも、安全に配慮しながら離床やベッド上での活動、ADL訓練などを開始することが可能です。点滴の有無が作業療法開始の絶対的な条件ではありません。正しくは:点滴が実施されている状態でも、安全に配慮し作業療法は開始できる。選びやすい理由:点滴があると活動が制限される、あるいは抜去後に活動するのが一般的だと考えるため。混同注意:医療機器装着時の活動制限と、リハビリテーション開始時期の原則を混同する可能性がある。
- 3. 正解。脳卒中急性期においては、臥床による身体的、精神的な機能低下(廃用症候群)を予防するために、全身状態が安定していれば可能な限り早期に離床を促し、活動レベルを上げることが重要とされています。正しくは:(正答のため修正不要)選びやすい理由:(正答のため特になし)混同注意:(正答のため特になし)
- 4. 急性期であっても、患者の全身状態が安定していれば、ベッド上でのADL訓練(寝返り、起き上がり、座位バランス練習、食事動作など)は積極的に行われます。これにより、早期の機能回復を促し、廃用症候群の予防にも繋がります。正しくは:ベッド上でのADL訓練は、全身状態が安定していれば急性期から積極的に実施される。選びやすい理由:急性期は身体的な負担を避けるべきだと考え、運動療法全般が禁忌だと誤解する可能性がある。混同注意:急性期における医療管理と、身体活動の制限を混同する可能性がある。
- 5. 弛緩性麻痺では筋緊張が低下していますが、それでも長期間の臥床や不動により関節拘縮が発生するリスクがあります。そのため、関節可動域の維持・拡大を目的とした訓練は必要不可欠です。正しくは:弛緩性麻痺であっても関節拘縮予防のため、関節可動域訓練は必要である。選びやすい理由:筋緊張が低いと拘縮しにくいという誤解や、痙性麻痺の方が拘縮リスクが高いという知識から、弛緩性麻痺では不要だと判断してしまう可能性がある。混同注意:弛緩性麻痺と痙性麻痺における筋緊張の違い、およびそれぞれの拘縮リスクや介入の必要性を混同する可能性がある。
国試ポイント
脳卒中急性期における作業療法の基本的な原則、特に廃用症候群予防のための早期介入の重要性について理解しているかを問う問題です。各選択肢は、急性期の医療管理とリハビリテーションの常識的な判断力を試しています。
混同注意
急性期における身体的安定と活動制限のバランス、医療機器装着時のリハビリテーションの可否、および麻痺の種類と関節拘縮予防の関連性。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、早期離床や廃用症候群予防の具体的な方法(例:体位変換、座位保持訓練)や、全身状態の評価項目(例:バイタルサインの安定)に注目して判断する。
関連知識
廃用症候群、早期離床、脳卒中リハビリテーションガイドライン、急性期リハビリテーションの適応と禁忌、ADL訓練の段階的導入、関節可動域訓練の目的。