統合失調症の予後を予測する因子で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
統合失調症の予後予測因子として、『病識の有無』と『発病から治療開始までの期間(DUP)』は非常に重要です。病識があれば治療に主体的に取り組め、服薬アドヒアランスも向上します。また、精神病エピソードを経験してから治療が開始されるまでの期間が短いほど、脳への影響が少なく、回復しやすいことが多くの研究で示されています。その他の選択肢は、予後予測因子としては適切ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。病識があることは、治療への積極的な参加や服薬アドヒアランスの向上に繋がり、予後良好因子として知られています。
- 2. 統合失調症において身体的愁訴が多いことは、予後不良因子の一つとされています。正しくは:身体に関する訴えが少ないこと。選びやすい理由:一見、病識と同様に自身の状態を把握しているように見えるかもしれないが、統合失調症における身体的愁訴は精神病症状の一部であることがあるため注意が必要。混同注意:病識と身体愁訴を混同しやすい。身体愁訴は必ずしも病識の現れではない。
- 3. 低ナトリウム血症は、統合失調症患者にみられる水中毒(多飲症)の結果として生じることがありますが、直接的な予後予測因子ではありません。これは合併症であり、予後を左右する直接因子とは異なります。正しくは:この選択肢は予後予測因子として適切ではないため、別の因子を挙げる必要がある。選びやすい理由:身体合併症が予後に影響を与える可能性はあると考えるかもしれないが、統合失調症の予後予測因子としては一般的ではない。混同注意:合併症と予後予測因子を混同しやすい。
- 4. 初回入院時の処方薬の種類自体が予後を予測する因子ではありません。治療薬が効果的かどうかが重要であり、薬の種類そのものが予後を決定するわけではありません。正しくは:適切な治療薬の選択と効果が予後に影響を与える。選びやすい理由:治療の初期段階での介入が重要であると考える点で選びやすいかもしれないが、薬の種類よりも治療への反応や遵守が重要。混同注意:初期治療の重要性と、その具体的な内容(薬の種類)を混同しやすい。
- 5. 正解。発病から治療開始までの期間が短いほど、予後が良好であるとされています(Duration of Untreated Psychosis: DUP)。早期介入は予後改善に重要です。
国試ポイント
統合失調症の予後予測因子に関する知識を問う問題です。特に、治療への積極性や早期介入の重要性、また精神病理学的側面と身体的合併症との区別を理解しているかが試されます。
混同注意
予後不良因子と予後良好因子の混同。また、合併症や治療戦略の一部を直接的な予後予測因子と誤解する可能性があります。
次に同じ論点が出たら
この論点が出題された場合、予後良好因子と予後不良因子をそれぞれ明確に区別できているか、治療介入のタイミングや患者自身の病識が予後にどう影響するかを理解しているかが重要になります。
関連知識
統合失調症の予後に関連する因子には、発症年齢、発症様式(急性/緩徐)、病前性格(適応良好/不良)、感情症状の有無、陰性症状の程度、家族歴、社会的サポートなどが挙げられます。早期介入やストレス脆弱性モデルも関連知識として重要です。