がんとその原因となる病原体との組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
B型肝炎ウイルスとヒトパピローマウイルスは、それぞれ肝細胞癌と子宮頸癌の主要な原因病原体として確立されています。他の選択肢は、病原体とがんの組み合わせが誤っています。
選択肢ごとの解説
- 1. ヘリコバクター・ピロリ菌は主に胃がんの原因となります。膀胱癌との関連性は確立されていません。正しくは:ヘリコバクター・ピロリ菌は胃がんと関連があります。選びやすい理由:ヘリコバクター・ピロリ菌ががんと関連する病原体であることは正しいですが、そのがんの種類が誤っています。混同注意:特定の細菌やウイルスが様々な種類のがんと関連しているという誤解。
- 2. 正解。B型肝炎ウイルス(HBV)による慢性感染は、肝細胞の炎症や再生を繰り返すことで肝硬変へ進行し、最終的に肝細胞癌のリスクを高めます。これは肝細胞癌の主要な原因の一つとして広く認識されています。
- 3. 正解。ヒトパピローマウイルス(HPV)の特定のリスク型感染は、子宮頸部の上皮細胞に異形成を引き起こし、進行すると子宮頸癌の原因となります。HPVワクチンはこの感染を予防し、子宮頸癌の発生を抑える効果があります。
- 4. 成人T細胞白血病(ATL)は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)が原因です。Epstein-Barrウイルス(EBV)は、バーキットリンパ腫や鼻咽頭癌、伝染性単核球症などと関連がありますが、ATLとは直接関係ありません。正しくは:成人T細胞白血病はHTLV-1と関連があります。選びやすい理由:EBVが特定の血液がんと関連があるため、混同しやすいです。混同注意:他のウイルスが原因となるがんとの混同。
- 5. 慢性骨髄性白血病(CML)は、フィラデルフィア染色体と呼ばれる特定の染色体異常(BCR-ABL融合遺伝子)によって引き起こされる造血幹細胞の異常増殖が原因であり、ウイルス感染とは直接関係ありません。HTLV-1は成人T細胞白血病の原因です。正しくは:慢性骨髄性白血病は遺伝子異常(フィラデルフィア染色体)が原因であり、ウイルス感染とは直接関係ありません。選びやすい理由:HTLV-1が特定の血液がんと関連があるため、慢性骨髄性白血病とも関連があると誤解しやすいです。混同注意:ウイルスが原因となる他の白血病との混同。
国試ポイント
特定の病原体(ウイルスや細菌)が原因となるがんの種類を正確に覚えているか、特に国試で頻出する組み合わせを理解しているかが問われる問題です。混同しやすい病原体とがんの組み合わせに注意が必要です。
混同注意
各病原体(例:ヘリコバクター・ピロリ菌、B型肝炎ウイルス、HPV、EBV、HTLV-1)が原因となるがんの種類。特にEBVとHTLV-1が原因となる血液がんやリンパ腫の名称が混同されやすい。
次に同じ論点が出たら
今後も病原体とがんの組合せは出題される可能性が高い。特にワクチンの対象となるHPVやHBV、日本人で有病率が高いHTLV-1、そして一般的なEBVやヘリコバクター・ピロリ菌によるがんについては、その関連性を正確に把握しているか確認する。
関連知識
オンコウイルス、発がん機構、ウイルス性肝炎、性感染症、胃癌、白血病の分類と原因、ワクチンによるがん予防。