Alzheimer型認知症について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
アルツハイマー型認知症における見当識障害は、時間の見当識、場所の見当識、人物の見当識の順に障害されることが特徴です。そのため、人物の見当識よりも時間の見当識が障害されやすいという記述は正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. アルツハイマー型認知症は女性に多いとされています。正しくは:女性に多く見られます。選びやすい理由:特定の病気が性差を持つことはよくあるため、男女どちらかに多いという記述はそれらしいと感じやすいかもしれません。混同注意:血管性認知症は男性に多い傾向があるため、他の認知症タイプと混同しやすいです。
- 2. アルツハイマー型認知症の症状は、緩徐かつ進行性(徐々に悪化)に進行するのが典型的です。階段状に悪化するのは血管性認知症の特徴です。正しくは:症状は緩徐かつ進行性に悪化していきます。選びやすい理由:認知症全般の進行について、患者や家族の体験から一進一退のように感じることもあるため、誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:血管性認知症の症状進行パターン(階段状)と混同しやすいです。
- 3. アルツハイマー型認知症の発症初期には、新しい出来事を記憶できないエピソード記憶(特に近時記憶)の障害が特徴的に現れます。意味記憶の障害は病状が進行してから顕著になります。正しくは:発症初期には、エピソード記憶の障害(特に近時記憶)が顕著に現れることが多いです。選びやすい理由:記憶障害は認知症の中核症状であるため、どの種類の記憶が障害されるのかという点は多くの学生が混同しやすいポイントです。混同注意:エピソード記憶と意味記憶の違い、およびそれぞれの障害がアルツハイマー型認知症のどの病期で現れるかについて混同しやすいです。
- 4. 正解。アルツハイマー型認知症では、時間の見当識(日付、曜日、季節など)が最も早期に障害され、次に場所の見当識、最後に人物の見当識が障害されるのが典型的です。正しくは:正しい記述です。選びやすい理由:正答肢です。混同注意:見当識障害の進行順序は、認知症の診断において重要な鑑別点であり、他のタイプの認知症やせん妄での見当識障害のパターンと混同しないよう注意が必要です。
- 5. 軽度認知障害(MCI)からアルツハイマー型認知症に移行する割合は約10~15%程度とされており、80%は過大な数値です。約半数はMCIのままであり、約10~30%はMCIから改善するとも言われています。正しくは:軽度認知障害(MCI)と診断された人の約10~15%がアルツハイマー型認知症に移行します。選びやすい理由:MCIから認知症への移行リスクがあることは知られているため、具体的な数値が不明確な場合、高めの数値を選んでしまう可能性があります。混同注意:MCIからの認知症移行率に関する具体的な数値や、MCIが必ずしも認知症に移行するわけではないという理解が不足していると誤りやすいです。
国試ポイント
アルツハイマー型認知症の疫学、病態、症状進行パターン、および他の認知症との鑑別点を正確に理解しているかが問われています。特に、症状の進行順序や特徴的な初期症状、記憶の種類に関する知識が重要です。
混同注意
血管性認知症(性差、症状進行)、レビー小体型認知症(幻視、日内変動)、前頭側頭型認知症(行動障害)など、他の認知症の病態や特徴と混同しやすいです。また、記憶の種類(エピソード記憶、意味記憶、手続き記憶など)や見当識障害の進行順序も混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
この論点が再度出題される場合、アルツハイマー型認知症の初期症状の具体例(例:物忘れの内容)、感情面の変化、非認知機能障害(失行、失認、失語など)の出現時期、または他の認知症との具体的な鑑別点(例:幻視の有無、パーキンソニズムの有無)について問われる可能性があります。
関連知識
認知症の診断基準、MMSEやHDS-Rといった認知機能検査、各認知症の治療法やケアのポイント。MCIの診断基準と経過、およびMCIからの移行率や回復率に関する知識も重要です。