気管支について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
気管支の壁には、気管軟骨のC字型の不完全なリングに加え、平滑筋が存在します。この平滑筋は、交感神経や副交感神経の支配を受け、気管支の拡張・収縮を調節することで、気道抵抗を変化させる重要な役割を担っています。この機能は、特に喘息などの呼吸器疾患において臨床的に重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。気管支の壁には気管軟骨と平滑筋があり、この平滑筋が収縮・弛緩することで気道の抵抗が変化します。これは気管支喘息などで重要になります。
- 2. 左右の主気管支の長さは異なります。一般的に、右主気管支は約2.5cmと短く、左主気管支は約5cmと長いのが特徴です。正しくは:左の主気管支は右の主気管支よりも長さが長いです。選びやすい理由:長さや角度の比較は、左右が逆になった選択肢が多く出題されるため、知識が曖昧だと誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:右主気管支と左主気管支の長さの違い。右が短く、左が長い。
- 3. 気管支の内面は、気管と同様に線毛を持つ多列円柱上皮で覆われています。これにより、異物を排除する機能(粘膜線毛輸送系)が果たされています。扁平上皮は主に防御機能が主体の場所(例:口腔、食道)に見られます。正しくは:気管支の内側表面は線毛を持つ多列円柱上皮細胞で覆われています。選びやすい理由:上皮の種類に関する知識が不確かな場合、よく聞く上皮名である「扁平上皮」を選んでしまう可能性があります。混同注意:多列円柱上皮と扁平上皮。気道の上皮は多列円柱上皮(線毛上皮)であり、保護と異物排出の機能を持つ。
- 4. 気管分岐部(carina)は、通常、第5胸椎の高さにあり、食道の第2狭窄部(気管分岐部による圧迫部)に相当します。食道の第1狭窄部は、輪状軟骨部(C6レベル)です。正しくは:気管が左右に分かれる部分は、食道の第2狭窄部(気管分岐部による圧迫部)に位置します。選びやすい理由:食道の狭窄部と隣接臓器の関連は頻出ですが、どの狭窄部とどの臓器が対応するか混同しやすいです。混同注意:食道の第1狭窄部と第2狭窄部。第1狭窄部は輪状軟骨部、第2狭窄部は気管分岐部による圧迫部、第3狭窄部は横隔膜貫通部。
- 5. 気管の延長線に対する分岐角度は、右主気管支の方が左主気管支よりも小さく(急峻に)、ほぼ垂直に近い形で分岐します。これにより、誤嚥された異物は右主気管支へ入りやすくなります。左主気管支はより水平に近い角度で分岐します。正しくは:気管の延長線に対する気管支の分岐角度は、左側よりも右側の方が小さいです。選びやすい理由:左右の構造の違いに関する記述は、逆にして誤答肢とすることがよくあります。右がより垂直に近い角度であることを知らないと、選択しがちです。混同注意:左右の主気管支の分岐角度。右が小さく(垂直に近い)、左が大きい(水平に近い)。
国試ポイント
呼吸器系の解剖学的特徴、特に気管支の構造とその生理的役割に関する正確な知識が問われています。左右の気管支の長さや分岐角度、内面の上皮の種類、および隣接する臓器との位置関係といった詳細な知識が問われる傾向にあります。特に、各構造物の役割(例:平滑筋の機能、上皮の種類による機能)を理解しているかが重要です。
混同注意
気管支の構造と機能(平滑筋の有無と役割、上皮の種類)、左右の気管支の長さや分岐角度の比較、食道の狭窄部との位置関係。これらの知識は細かく、記憶があいまいだと容易に混同しやすいため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
気管支の構造だけでなく、肺胞の構造と機能、ガス交換のメカニズム、肺の区域解剖など、呼吸器系全体の解剖・生理を複合的に問う問題が出題される可能性があります。また、臨床応用として、特定の疾患における解剖学的変化や病態生理学的な知識を問う問題も想定されます。
関連知識
気管支喘息における気管支平滑筋の収縮メカニズムと薬物療法。呼吸器系の粘液線毛輸送系の機能。誤嚥性肺炎における異物の侵入経路。気管支の血管支配と神経支配。