骨折後に偽関節を生じやすいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
手の舟状骨は、その特異な血行供給のために、骨折すると偽関節や阻血性壊死を起こしやすい代表的な部位です。特に近位部は血行が乏しく、骨折によって栄養が途絶えやすい構造となっています。国家試験では、このような解剖学的特徴が偽関節の発生に影響する例が問われることが多いです。
選択肢ごとの解説
- 1. 鎖骨骨折は偽関節を起こすことはあるが、遠位端は比較的まれで、中外1/3境界部が好発部位とされている。正しくは:鎖骨の偽関節は、骨折部位としては中外1/3境界部で発生しやすい。選びやすい理由:鎖骨骨折自体はよく発生し、スポーツ外傷などでも多い部位であるため、選択肢として目を引くかもしれない。混同注意:骨折の種類や部位によって偽関節のリスクが異なることを混同しやすい。
- 2. 正解。舟状骨は血行供給が乏しく、特に近位部は主要な血管が骨折部位を通過するため、骨折によって栄養血管が遮断されやすく、偽関節や阻血性壊死を生じやすいとされています。
- 3. 橈骨遠位端骨折(コーレス骨折など)は非常に頻繁に発生しますが、通常は比較的良好に癒合し、偽関節の発生率は低いとされています。ただし、不適切な整復や固定、重度の開放骨折などではリスクが増加することがあります。正しくは:橈骨遠位端骨折は一般的に良好な骨癒合を示すことが多い。選びやすい理由:発生頻度の高い骨折部位であるため、偽関節も多いと誤解しやすい。混同注意:骨折の発生頻度と偽関節の発生頻度を混同しやすい。
- 4. 中手骨骨幹部骨折は比較的良好な血行に恵まれており、偽関節の発生はまれです。ただし、回旋転位などのアライメント不良が生じやすいという特徴があります。正しくは:中手骨の骨幹部骨折は、通常、偽関節のリスクは低い。選びやすい理由:手の骨折として身近なため、選択肢として考慮する可能性がある。混同注意:骨折そのものの頻度と偽関節の発生頻度を混同しやすい。
- 5. 上腕骨骨幹部骨折は、比較的偽関節の発生リスクは低いとされていますが、橈骨神経麻痺の合併に注意が必要です。骨折の形態(粉砕骨折など)や治療法によっては偽関節のリスクが増加することもありますが、舟状骨ほど高頻度ではありません。正しくは:上腕骨骨幹部骨折は、偽関節よりも橈骨神経麻痺などの合併症に注意が必要である。選びやすい理由:大きな骨の骨折であり、重篤なイメージから偽関節も多いと誤解する可能性がある。混同注意:骨折の部位や大きさからくる重症度と、偽関節の発生しやすさを混同しやすい。
国試ポイント
偽関節を生じやすい骨折部位に関する知識が問われています。特に、血行供給の乏しさや、骨折によって主要な栄養血管が遮断されやすい解剖学的特徴を持つ部位が重要です。国家試験では、このような特定の解剖学的・生理学的特徴と病態を結びつける問題が頻出します。
混同注意
骨折の発生頻度が高い部位と、偽関節の発生頻度が高い部位を混同しやすいです。例えば、橈骨遠位端骨折は多発しますが、偽関節はまれです。また、骨折の種類によって偽関節のリスクが異なることを理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
この論点に関して次に出題されるとしたら、偽関節を起こしやすい他の部位(例:大腿骨頭、距骨、脛骨遠位1/3)を問う問題や、偽関節の原因、あるいは偽関節の治療法に関する問題が考えられます。また、阻血性壊死を起こしやすい部位(大腿骨頭、舟状骨、距骨など)との関連性も重要です。
関連知識
偽関節の原因としては、不適切な固定、感染、全身疾患、栄養状態、そして本問で問われている血行不全などが挙げられます。特に、血行が乏しい部位(例:大腿骨頭、距骨、脛骨遠位1/3)は偽関節のリスクが高まります。また、偽関節の治療法(骨移植、電気刺激など)についても関連知識として押さえておくと良いでしょう。