慢性閉塞性肺疾患の患者の胸部エックス線写真で特徴的なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
慢性閉塞性肺疾患(COPD)では、気道の炎症と破壊により肺胞が過膨張し、内部に空気が貯留しやすくなります。これにより肺組織の密度が低下し、胸部エックス線写真上ではX線が透過しやすくなるため、肺野の透過性亢進として観察されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 慢性閉塞性肺疾患では、肺の過膨張により横隔膜は下方へ圧迫され、低位・平坦化がみられます。挙上は誤りです。正しくは:横隔膜低位・平坦化選びやすい理由:横隔膜の異常がCOPDのX線所見として認識されているため、挙上も何らかの異常と捉えがちですが、方向が逆です。混同注意:胸水貯留や無気肺などによる横隔膜挙上、または肺線維症や肺切除後などでの横隔膜挙上と混同する可能性があります。
- 2. 慢性閉塞性肺疾患では、肺の過膨張により心臓が圧迫され、滴状心(心陰影が小さく細長く見える状態)を呈することがあります。心陰影の拡大は一般的ではありません。正しくは:滴状心(心陰影縮小)選びやすい理由:他の循環器疾患や心不全などで心拡大が一般的な所見であるため、選択肢として選びやすいかもしれません。混同注意:心不全や心筋症などによる心拡大と混同する可能性があります。
- 3. 慢性閉塞性肺疾患では、肺の過膨張により胸郭が拡張し、肋間腔はむしろ開大します。狭小化は誤りです。正しくは:肋間腔の開大選びやすい理由:肺疾患のX線所見として肋間腔の変化が挙げられるため、何らかの変化として選びやすいですが、方向が逆です。混同注意:間質性肺炎や胸膜の肥厚などによる肺容量減少時の肋間腔狭小化と混同する可能性があります。
- 4. 正解。慢性閉塞性肺疾患では、肺の過膨張と気腫性変化により肺組織の密度が低下し、X線が透過しやすくなるため、肺野の透過性亢進が特徴的な所見です。選びやすい理由:COPDの病態を理解していれば、この選択肢が直接的な所見を示すため、選びやすいです。混同注意:気胸による限局性の透過性亢進や、ブラ・ブレブによる透過性亢進と区別する必要があります。
- 5. シルエットサインは、胸部X線写真で、心臓や横隔膜、大血管などの臓器の境界が、隣接する肺野の浸潤影によって不明瞭になる現象です。これは肺炎や腫瘍などの浸潤影を評価する際に用いられる所見であり、慢性閉塞性肺疾患に特徴的なものではありません。正しくは:シルエットサインは肺炎などの浸潤影で認められる。選びやすい理由:胸部X線写真の判読に関する専門用語であるため、知識があるように見えて選びやすいかもしれませんが、COPDの病態とは直接関連しません。混同注意:肺炎や無気肺などの浸潤影を伴う疾患と混同する可能性があります。
国試ポイント
COPDの胸部X線所見として、肺の過膨張を示す所見(透過性亢進、横隔膜低位・平坦化、肋間腔開大など)を理解し、他の疾患の所見と区別することが重要です。
混同注意
肺野の透過性亢進は、気胸やブラ・ブレブでも見られますが、COPDでは両側性かつびまん性に認められることが多いです。また、心不全や肺炎による透過性低下(陰影)と混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
COPDに関する問題が出た場合、胸部X線写真で肺野の透過性亢進、横隔膜の低位・平坦化、肋間腔の開大といった、肺の過膨張を示す所見があるかどうかを確認します。
関連知識
COPDの他の胸部X線所見として、横隔膜の低位・平坦化、肋間腔の開大、滴状心、肺動脈幹の突出(肺高血圧症を合併する場合)などがあります。これらの所見も肺の過膨張を示唆します。