疾患と治療の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
強迫性障害の主要な認知行動療法の一つに曝露反応妨害法があります。患者は強迫観念によって引き起こされる不安を伴う状況に意図的に身を置き(曝露)、その後に行っていた強迫行為(反応)を意図的に行わないようにします。これにより、不安が時間とともに減少すること(慣れ)を経験し、強迫行為をせずとも不安が収まることを学習します。
選択肢ごとの解説
- 1. 系統的脱感作法は不安障害、特に恐怖症の治療に用いられる行動療法です。身体化障害は身体症状を主とするため、この治療法は直接的な効果が期待しにくいです。正しくは:身体化障害に対しては、認知行動療法や精神力動的精神療法、支持的精神療法などが適用されます。選びやすい理由:身体的な不快感があるため、リラクゼーション技法の一つである脱感作法が有効だと誤解するかもしれません。混同注意:系統的脱感作法と、身体化障害に対する一般的なリラクゼーション技法やストレス管理法を混同する可能性があります。
- 2. 正解。曝露反応妨害法は、強迫性障害に対する認知行動療法の中で最も効果が確立されている治療法です。患者を不安や不快感を引き起こす状況(曝露)に意図的に直面させ、強迫行為(反応)を行わないよう指導することで、不安の慣れや行為への依存を減少させます。
- 3. フラッディングは恐怖症などの治療に用いられる行動療法の一つですが、PTSD患者には通常推奨されません。極めて強い不安を急激に引き起こすため、再体験が強まり、症状を悪化させるリスクが高いです。正しくは:PTSDには、持続エクスポージャー療法、認知処理療法、眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR)などが効果的です。選びやすい理由:トラウマへの曝露という点で、曝露反応妨害法と混同しやすいですが、フラッディングは制御が難しく、PTSDにはより段階的なアプローチが必要です。混同注意:曝露療法の一種ではあるものの、その実施方法と強度、適応疾患を混同する可能性があります。
- 4. 持続エクスポージャー法は主にPTSDの治療に用いられる、トラウマ記憶への段階的な曝露を特徴とする治療法です。心気障害は身体症状への過度なとらわれや病気への不安が中心であり、この治療法は直接的な適応ではありません。正しくは:心気障害に対しては、認知行動療法(特に疾病不安への認知再構成や不安への曝露)が効果的です。選びやすい理由:「エクスポージャー」という言葉から、何らかの不安や恐怖への対峙が必要な疾患に適用できると錯覚するかもしれません。混同注意:持続エクスポージャー法と、心気障害における身体感覚への注意や行動を対象とした曝露技法を混同する可能性があります。
- 5. バイオフィードバック法は、心拍数や筋緊張などの生理的活動を意識的に制御できるよう訓練する技法で、ストレス関連疾患や慢性疼痛などに用いられます。解離性健忘は、心的外傷などに関連する記憶の喪失を特徴とし、この治療法は直接的な効果が期待できません。正しくは:解離性健忘に対しては、トラウマに焦点を当てた精神療法、支持的精神療法、安全な環境の確保などが重要です。選びやすい理由:解離性健忘の原因がストレスである場合、バイオフィードバックがストレス軽減に役立つと考えがちですが、記憶の回復に直接的ではないため誤りです。混同注意:バイオフィードバックが広範囲のストレス関連症状に有効であるという知識と、解離性健忘の特異的な治療法を混同する可能性があります。
国試ポイント
精神疾患とその代表的な治療法の組み合わせは、国家試験で頻繁に問われる基本的な知識です。各疾患の特性を理解し、その特性に合わせた治療法を正確に結びつけられるかがポイントとなります。特に認知行動療法における具体的な技法は、その適応疾患と共に覚える必要があります。
混同注意
類似した曝露系の治療法(系統的脱感作法、フラッディング、持続エクスポージャー法など)が、異なる精神疾患にどのように適用されるか、または不適応となるかについて混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
この論点に関して次に問われる場合、疾患と薬物療法の組み合わせ、あるいは疾患に対する作業療法のアプローチが問われる可能性があります。また、より具体的な症例に基づいて、どの治療法が適切かを判断させる問題も考えられます。
関連知識
各疾患の診断基準(DSM-5など)、薬物療法、その他の精神療法(精神力動的精神療法、支持的精神療法など)、さらには作業療法によるアプローチについても関連付けて学習することが重要です。