成人の正常立位姿勢で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
成人の正常立位姿勢における全身の重心は、第2仙椎のやや前方(仙骨岬のやや後方)に位置することが解剖学的に知られています。このため、「仙骨の前方に位置する」という選択肢は正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- 1. 仙骨自体は後方に弯曲している(後弯)のが一般的です。仙骨が脊柱の一部として全体的なカーブを構成する際、その部分は骨盤の後壁を形成し、腰椎の前弯に続く形で後方に突出しています。正しくは:仙骨は後方への弯曲(後弯)を示します。選びやすい理由:脊柱全体で見ると前弯・後弯のカーブが交互にあるため、仙骨も前弯を示す部分があるのかと混同しやすい。特に腰椎前弯の下部にあるため、その延長と捉えてしまう可能性があります。混同注意:腰椎の前弯と仙骨の弯曲方向。
- 2. 腰仙角は、仙骨の上面と水平面がなす角度で、正常な成人では一般的に30度から45度程度とされています。5度は非常に小さい値です。正しくは:腰仙角はおおよそ30度から45度です。選びやすい理由:角度に関する具体的な数値は覚えにくく、適当な数値を提示されると迷いやすいでしょう。混同注意:他の関節角度や、脊柱の特定の部位の角度など、異なる数値。
- 3. 小児は成人よりも頭部や体幹の比重が大きく、四肢が短いため、重心は相対的に頭部側(上方)に位置します。成人では、下肢の成長により重心は小児よりも相対的に下方(尾側)に位置します。正しくは:重心の位置は、小児に比べて相対的に尾部側(下方)にあります。選びやすい理由:「頭部に近い」という表現が、小児の頭が大きく、その重心が頭部寄りであるという知識と混同しやすいですが、問われているのは「成人」が「小児より」どうか、という比較です。混同注意:小児と成人の重心位置の比較。小児の重心が成人より高いという事実と、その結果として「成人」の重心が「小児より」頭部に近いかという問いの意図。
- 4. 正解。成人の標準的な立位姿勢における全身の重心は、第2仙椎(S2)のやや前方、仙骨岬のやや後方に位置するとされています。そのため、「仙骨の前方に位置する」という記述は正しいです。
- 5. 正常な立位姿勢では、身体の重心線は股関節軸(大転子の位置とほぼ一致)の**後方**を通ります。これにより股関節伸展モーメントが生じ、安定化に寄与します。正しくは:矢状面における身体の重心線は、大転子の後方を通ります。選びやすい理由:重心線が膝関節の前方を通るという知識と混同し、股関節も前方と誤解しやすいです。混同注意:重心線が通過する各関節の位置(股関節では後方、膝関節と足関節では前方)。
国試ポイント
この問題は、成人の正常な立位姿勢における身体の重心の位置、脊柱の弯曲、関節角度、および重心線が主要な関節(股関節、膝関節、足関節)に対してどのように通過するかといった、解剖学・運動学の基本的な知識を問うものです。特に、重心の位置や重心線の通過部位は、身体の安定性や姿勢制御を理解する上で非常に重要であり、頻繁に出題されます。
混同注意
脊柱の各部位の正常な弯曲方向(頸椎・腰椎は前弯、胸椎・仙骨は後弯)、小児と成人の重心位置の相対的な比較(小児の方が重心は高い)、重心線が各関節(股関節、膝関節、足関節)に対して通過する位置(股関節は後方、膝関節・足関節は前方)。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出題された場合、個々の関節や脊柱の部位だけでなく、全身の重心位置や重心線が身体各部に対してどのような位置関係にあるか、そしてそれが姿勢維持にどのように寄与しているか、という全体的な理解が問われる可能性が高いです。特に、重心線と関節の相対位置によるモーメント発生の理解が重要です。また、異常姿勢との比較問題も考えられます。
関連知識
脊柱の生理的弯曲(頸椎前弯、胸椎後弯、腰椎前弯、仙骨後弯)。腰仙角(Lumbosacral angle または Ferguson's angle):通常30-45度。重心(COG)と重心線(LOG)の定義と機能。重心線が各関節軸に対して通過する位置と、それによって生じるモーメントの方向(例:股関節の後方通過は伸展モーメント、膝関節・足関節の前方通過は伸展モーメント)。立位姿勢における重心動揺と姿勢制御メカニズム。