痙直型四肢麻痺の脳性麻痺児の抱き方で適切なのはどれか。2つ選べ。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
痙直型四肢麻痺の脳性麻痺児では、伸展パターンや交叉性伸展反射が出現しやすいため、股関節の過伸展や内転、膝関節の伸展を避け、股関節を屈曲・外転位に保ち、体幹の安定を図る抱き方が適切である。これにより、異常な筋緊張の亢進を抑制し、正常な運動発達を促すことができる。
選択肢ごとの解説
- 1. 股関節が伸展・内転位となりやすく、痙直による異常パターン(伸展パターン)を誘発する可能性が高いため、不適切である。また、体幹が不安定になりやすい。正しくは:股関節を屈曲・外転位に保ち、体幹を安定させる抱き方にする。選びやすい理由:一般的な乳児の抱き方に近い形であるため、特に乳児に慣れていない人にとっては選択しやすい。混同注意:定型発達児や他の病型の児への抱き方。
- 2. 正解。両下肢を軽く屈曲・外転させた状態で、体幹を安定させて抱いているため、股関節の伸展・内転パターンを抑制し、異常な筋緊張の亢進を防ぐのに適切である。児の身体が安定し安心感を与えやすい。選びやすい理由:(正答のため該当なし)混同注意:(正答のため該当なし)
- 3. 正解。股関節を十分に屈曲・外転させ、体幹をしっかりと支えているため、伸展パターンや交叉性伸展反射の誘発を抑え、安定した姿勢を保持するのに適切である。児の身体が安定し安心感を与えやすい。選びやすい理由:(正答のため該当なし)混同注意:(正答のため該当なし)
- 4. 両下肢が伸展位になりやすく、特に股関節が過伸展・内転位をとりやすいため、痙直の増強や異常姿勢を助長する可能性が高い。体幹の安定性も不十分になりやすい。正しくは:股関節を屈曲・外転位に保ち、体幹を安定させる抱き方にする。選びやすい理由:両腕でしっかり支えているように見えるため、安定感があるように錯覚しやすい。また、一般的な仰向け抱っこに近い形。混同注意:定型発達児の抱き方。児を上向きに休ませる際の姿勢。
- 5. 上体を反らした形になり、頭部が不安定であることに加え、股関節が伸展しやすく、痙直による伸展パターンを誘発する可能性が高いため、不適切である。正しくは:頭部と体幹を安定させ、股関節を屈曲・外転位に保つ抱き方にする。選びやすい理由:体全体を支えようとしている意図は伝わるが、具体的なポジショニングの配慮が不足している。児を仰向けにして抱く際の一つの形と捉えやすい。混同注意:定型発達児を抱き上げる際の一時的な姿勢。
国試ポイント
痙直型脳性麻痺児に対する抱き方の原則(股関節の屈曲・外転位保持、体幹の安定)を理解し、異常姿勢や反射の誘発を避ける具体的な方法を覚えること。
混同注意
弛緩型やアテトーゼ型の脳性麻痺児では抱き方が異なるため、それぞれの病態に応じた適切な介助方法を区別して理解する必要がある。痙直型では伸展パターンを誘発しないことが重要。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合は、痙直型四肢麻痺児の具体的な異常パターン(伸展、内転、内旋など)を想起し、その異常パターンを助長しない(抑制する)抱き方やポジショニングを選択する。
関連知識
脳性麻痺の病型分類とそれぞれの特徴、原始反射と姿勢反射、異常姿勢パターンとアライメントの修正、ポジショニングの目的と効果。