仙骨部の褥瘡予防で適切なのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
仙骨部の褥瘡予防には、同一部位への持続的な圧迫を避けるための除圧動作の指導(選択肢2)と、皮膚のバリア機能を維持し、外部刺激に対する抵抗力を高めるための保湿ケア(選択肢4)が重要です。円座の使用(選択肢1)や長時間の同一体位(選択肢3)、不適切なシーティング調整(選択肢5)は褥瘡発生リスクを高めるため不適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. 円座は圧力が集中する場所を移動させるだけで、むしろ座面への接触面積が減少し、座骨結節部など他の部位への圧を増加させる可能性があるため、褥瘡予防には不適切とされています。正しくは:体圧分散効果のあるクッション(例:エアクッション、ゲルクッション)を使用する。選びやすい理由:褥瘡予防でクッションを使うという知識から、安易に選んでしまう可能性がある。また、昔は使われていたという誤解があるかもしれない。混同注意:体圧分散クッションと混同しやすい。
- 2. 正解。除圧動作(圧迫されている部位への圧力を一時的に解除する動き)は、同一部位への持続的な圧迫による血行不良を防ぎ、褥瘡発生の主要な原因を取り除くために非常に重要です。
- 3. 長時間同じ姿勢で車椅子に座り続けることは、仙骨部や座骨結節部などの突出部位に持続的な圧迫がかかり、褥瘡発生のリスクを大幅に高めます。正しくは:車椅子に座る時間を調整し、定期的に体位変換や臥位での休息を取り入れる。選びやすい理由:活動の継続性という側面から、誤って選択する可能性がある。混同注意:活動を継続することと、同じ姿勢を保持し続けることの違い。
- 4. 正解。乾燥した皮膚はバリア機能が低下しやすく、わずかな摩擦やずれでも損傷を受けやすくなります。保湿によって皮膚の柔軟性を保ち、外部刺激に対する抵抗力を高めることは、褥瘡予防に有効です。
- 5. フットサポートが高すぎると、大腿部裏側が浮き上がり、臀部や仙骨部に体重が集中して圧迫が増強される可能性があります。適切に調整されたフットサポートは、体圧分散に寄与します。正しくは:フットサポートは、大腿部全体が座面に接地し、膝が約90度になるように適切な高さに調整する。選びやすい理由:誤ったシーティング調整で、体圧分散が改善されると勘違いする可能性がある。混同注意:車椅子調整の基本原理と混同しやすい。
国試ポイント
褥瘡予防の基本的な知識、特に体圧分散の原則と皮膚ケアの重要性について問う問題。誤った対策(円座など)が選択肢に含まれることで、正確な知識が求められます。
混同注意
ドーナツ型クッションが昔は褥瘡予防に使われていたという誤った情報や、単にクッションを使うことが褥瘡予防になるという誤解。
次に同じ論点が出たら
褥瘡の部位別好発部位、初期症状、段階評価、治療方法(保存的・外科的)、リハビリテーションにおけるOTの役割。
関連知識
褥瘡の定義、発生メカニズム(圧迫、摩擦、ずれ)、危険因子、その他予防策(栄養管理、清潔保持、適切な寝具・車椅子クッションの選択、多職種連携)。