機能性神経学的症状症/変換症〈転換性障害〉で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
機能性神経学的症状症/転換性障害の予後因子として、「病識の有無」が重要です。患者が自身の症状が心理的要因と関連していることを理解し、診断を受け入れることで、治療への積極的な参加が促され、症状の改善につながりやすいとされています。診断の受容は、治療同盟の形成や精神療法への効果的な取り組みの前提となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 機能性神経学的症状症/転換性障害は、ストレスや心理的要因が深く関与しているため、精神療法(特に認知行動療法、精神力動的心理療法、支持的精神療法など)が主要な治療法であり、有効性が認められています。正しくは:精神療法は有効である。選びやすい理由:器質的な病変が見られないため、一般的な医療介入が無効であると誤解されがちです。混同注意:詐病や虚偽性障害と混同され、治療が難しい、あるいは精神科的治療の対象外であると誤解すること。
- 2. 機能性神経学的症状症/転換性障害の発症は、思春期後期から青年期、成人期早期にかけて多く見られます。稀ではありません。正しくは:思春期後期から成人期の発症が比較的多い。選びやすい理由:「ヒステリー」という旧称から、若い女性の疾患というイメージが強く、成人期以降の発症が少ないと誤解しやすいです。混同注意:他の神経発達症や小児期に発症する精神疾患の発症時期と混同すること。
- 3. 症状の持続期間が短いほど、予後は良好であるとされています。早期介入が重要であり、症状が慢性化する前に治療を開始することが望ましいです。正しくは:症状が出始めてからの期間が短いほど、回復の見込みが良い。選びやすい理由:どのような疾患でも早期発見・早期治療が重要という一般的な考え方とは逆の表現であるため、引っかかりやすいです。しかし、予後良好因子の一つに「症状の持続期間が短いこと」が含まれます。混同注意:症状が慢性化することと、発症からの期間が短いことの予後への影響を混同すること。
- 4. 正解。患者が症状の原因が心理的要因にあることを理解し、診断を受け入れることで、治療への主体的な参加が促され、予後が良好となることが多いです。病識の有無は予後に大きく影響します。
- 5. パーソナリティー障害やその他の精神疾患(特に気分障害、不安障害など)を合併している場合、治療が複雑になり、予後不良となるリスクが高まります。正しくは:パーソナリティー障害を併発していると、回復が良くない傾向にある。選びやすい理由:精神疾患が複数あると、より多角的なアプローチで治療が進められ、結果的に予後が良い方向に働く、と誤解する可能性があります。混同注意:合併症の有無が予後に与える影響について、一般論と特定の疾患の特性を混同すること。精神疾患の合併は一般的に予後を悪化させる因子です。
国試ポイント
機能性神経学的症状症/転換性障害は、身体表現性障害群の一つとして国家試験でも頻出のテーマです。特に、その診断基準、疫学、病態生理(心理的要因との関連)、治療法、そして予後因子に関する知識が問われます。器質性疾患との鑑別や、詐病・虚偽性障害との違いも重要なポイントです。
混同注意
器質的な神経疾患、詐病、虚偽性障害、その他の身体症状症(身体症状症、病気不安症など)と混同されやすいです。特に、器質的疾患との鑑別には慎重な診察が必要です。
次に同じ論点が出たら
次回、機能性神経学的症状症/転換性障害に関する問題が出題された場合は、まず疾患の定義と心理的要因との関連性を正確に把握してください。特に、予後因子(良いもの、悪いもの)や治療の基本方針(精神療法の重要性)は繰り返し問われる傾向があるため、各選択肢がこの疾患の基本特性と矛盾しないかを確認しながら判断することが重要です。
関連知識
機能性神経学的症状症はDSM-5における名称で、DSM-IVでは転換性障害と呼ばれていました。主要な治療法は精神療法であり、ストレスマネジメント、リラクセーション法、認知行動療法などが用いられます。予後良好因子には、急激な発症、症状の持続期間が短いこと、明らかなストレス要因の存在、知的能力が高いこと、病識があることなどが挙げられます。一方、予後不良因子には、パーソナリティー障害や他の精神疾患の合併、長期にわたる症状、訴訟や補償問題の存在などがあります。