社会保障制度における公的扶助はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
生活保護は、社会保障制度における「公的扶助」の典型例です。公的扶助とは、生活困窮に陥った国民に対し、国や地方自治体が費用を負担して最低限の生活を保障する制度を指します。他の選択肢は、社会保険(医療保険、年金制度)や社会福祉(児童福祉、母子保健)に分類され、制度の目的や財源、受給要件が異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. 医療保険は社会保険制度の一部であり、公的扶助とは異なります。保険料を拠出し、その対価として医療サービスを受ける制度です。正しくは:社会保険に分類される。選びやすい理由:社会保障制度の一環であるため、広義の「助け」と捉えやすい。混同注意:公的扶助が「困窮者への最低限の生活保障」であるのに対し、医療保険は「国民の医療費負担を軽減する」目的を持つ点で混同しやすい。
- 2. 児童福祉は社会福祉制度の一部ですが、公的扶助とは区別されます。特定のニーズを持つ児童とその家庭を支援するサービスであり、生活困窮者への直接的な金銭給付を主目的とする公的扶助とは異なります。正しくは:社会福祉に分類される。選びやすい理由:子どもを「助ける」というイメージから、公的扶助と結びつけやすい。混同注意:公的扶助が最低限の生活保障であるのに対し、児童福祉は子どもの健全な育成を目的とし、多様なサービス(保育、相談支援など)を含む点で混同しやすい。
- 3. 正解。生活保護は、日本国憲法第25条の理念に基づき、生活困窮者に対して最低限度の生活を保障するための公的扶助制度です。資力調査(ミーンズテスト)を経て、要件を満たした者に現金給付や現物給付を行います。
- 4. 年金制度は社会保険制度の一部であり、公的扶助とは異なります。加入者が保険料を拠出し、高齢や障害、死亡時に給付を受ける制度です。正しくは:社会保険に分類される。選びやすい理由:高齢者や障害者の生活を「保障する」という点で、公的扶助と似ていると感じやすい。混同注意:公的扶助が無拠出で困窮者への最後のセーフティネットであるのに対し、年金制度は拠出を前提とした所得保障制度である点で混同しやすい。
- 5. 母子保健は、妊産婦や乳幼児の健康を支援する社会福祉・保健医療サービスであり、公的扶助とは異なります。特定の健康課題を持つ対象への支援であり、生活困窮者への最低限の生活保障を目的とする公的扶助とは区別されます。正しくは:社会福祉(保健医療サービス)に分類される。選びやすい理由:母子を「助ける」というイメージから、公的扶助と結びつけやすい。混同注意:公的扶助が最低限の生活保障であるのに対し、母子保健は母子の健康維持・増進を目的とし、健診や相談などのサービス提供が主である点で混同しやすい。
国試ポイント
社会保障制度の4つの柱(社会保険、社会福祉、公的扶助、公衆衛生)の分類と、それぞれの具体的な制度例を正確に理解しているかを問う問題です。特に、無拠出・資力調査を原則とする公的扶助と、拠出を原則とする社会保険、およびサービス提供が主となる社会福祉との違いが重要視されます。
混同注意
社会保障制度全体を「困っている人を助けるもの」と捉えがちで、各制度の具体的な目的や財源、受給要件の違いを理解していないと混同しやすい。特に「社会福祉」と「公的扶助」は、どちらも困窮者支援の側面を持つため混同されやすいが、公的扶助は生活困窮者への最終的な所得保障であり、社会福祉はより広範な生活課題に対応するサービス提供が中心という違いがある。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、社会保障制度の他の柱である社会保険や社会福祉に含まれる具体的な制度を挙げ、それがどの分野に属するかを問う形式が考えられます。また、それぞれの制度の特徴(例:拠出制か無拠出制か、現物給付か現金給付か、ミーンズテストの有無)を問う問題も予想されます。
関連知識
日本の社会保障制度は、社会保険、社会福祉、公的扶助、公衆衛生の大きく4つの分野に分けられます。社会保険は医療保険、年金保険、雇用保険、労災保険、介護保険の5つが柱です。社会福祉は、児童福祉、高齢者福祉、障害者福祉など多岐にわたります。公的扶助は生活保護が代表的です。公衆衛生は感染症対策や健康増進などが含まれます。