平衡聴覚器について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
三半規管は回転加速度を感知する平衡器であり、その感覚細胞は膨大部内の膨大部稜に存在します。膨大部稜はクプラと呼ばれるゼラチン状の物質で覆われており、リンパ液の動きによってクプラが変形し、感覚毛が刺激されることで回転運動が感知されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 三半規管は角加速度(回転運動)に反応します。重力変化や直線加速度に反応するのは耳石器(卵形囊と球形囊)です。正しくは:三半規管は角加速度(回転運動)に反応します。選びやすい理由:平衡感覚に関わるため、重力と関連付けるのは自然に感じるかもしれませんが、具体的な受容機能は異なります。混同注意:三半規管の機能と耳石器(卵形囊・球形囊)の機能を混同している可能性があります。
- 2. 球形囊斑は平衡覚(特に直線加速度や重力による垂直方向の動き)の受容器であり、聴覚の受容器(コルチ器)は蝸牛にあります。正しくは:球形囊斑には平衡覚の受容器が存在します。選びやすい理由:平衡聴覚器という総称から、聴覚に関連すると考えがちですが、それぞれの器官の機能は明確に分かれています。混同注意:聴覚器(蝸牛)と平衡器(耳石器・三半規管)の機能的区別を混同している可能性があります。
- 3. 卵形囊は直線加速度(特に水平方向の動き)や重力に反応します。角加速度に反応するのは三半規管です。正しくは:卵形囊は直線加速度の変化に応答します。選びやすい理由:平衡感覚の一部であるため、角加速度と関連付けてしまうかもしれませんが、耳石器の主な機能は直線加速度の感知です。混同注意:卵形囊の機能と三半規管の機能を混同している可能性があります。
- 4. 正解。三半規管の基部にある膨大部には、感覚毛細胞が存在する膨大部稜(膨大部隆起)があり、これが角加速度の受容器として機能します。選びやすい理由:正しい記述です。混同注意:この内容は平衡覚の解剖生理の基本的な知識です。他の部位の名称(クプラ、耳石膜など)と混同しないように注意が必要です。
- 5. 三半規管の膨大部稜にある感覚毛はクプラというゼラチン質の膜に覆われていますが、これは耳石膜ではありません。耳石膜は耳石器(卵形囊、球形囊)の感覚毛を覆っており、その上に炭酸カルシウムの結晶である耳石が付着しています。正しくは:三半規管のクプラは耳石を含まず、耳石器(卵形囊・球形囊)の感覚毛が耳石膜で覆われています。選びやすい理由:クプラも耳石膜も膜状の構造であり、感覚毛を覆っているという点で共通しているため、混同しやすいです。混同注意:クプラと耳石膜の構造と機能を混同している可能性があります。耳石の有無が大きな違いです。
国試ポイント
平衡聴覚器に関する基本的な解剖学的構造と生理的機能を正確に理解しているかが問われています。特に、三半規管と耳石器(卵形囊、球形囊)の機能分担、およびそれぞれの受容器の名称と構造の違いが重要です。
混同注意
三半規管と耳石器(卵形囊、球形囊)それぞれの機能(角加速度vs直線加速度/重力)と、それに伴う受容器の名称(膨大部稜/クプラvs耳石斑/耳石膜)が混同されやすい。また、聴覚(蝸牛)と平衡覚の区別もポイントになります。
次に同じ論点が出たら
今後も平衡覚器と聴覚器の機能解剖は頻出すると考えられる。特に、どの器官がどのような刺激(回転運動、直線運動、重力、音波)を受容するか、そしてその受容器の具体的な名称と構造、信号伝達のメカニズムを詳細に確認する必要がある。
関連知識
内耳の構造(骨迷路、膜迷路、蝸牛、前庭、三半規管、卵形囊、球形囊)、コルチ器、蝸牛管、外リンパ、内リンパ、毛細胞、有毛細胞の興奮メカニズム、中枢性平衡器の経路。