65歳の男性。喫煙歴40年。最近、階段を昇ると強い息切れを感じるようになり受診。FEV1:1.2 L、%VC:82 %、FEV1/FVC:55 %、SpO2:95 %(安静時)、mMRCスケールはGrade 2であった。日中は自宅で過ごすことが多く、洗濯や簡単な料理などは自分で行っている。 この患者へのADL指導で最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
COPDでは、動作時の息切れを軽くするために、口すぼめ呼吸を動作に合わせて行うよう指導します。口すぼめ呼吸は呼気時の気道内圧を保ち、末梢気道の虚脱を防いで呼気を十分に吐き出しやすくします(公式正答4)。両手を挙上する洗髪動作は息切れを強めるため、片手ずつ休みながら行うなどの工夫をします。PSB(ポータブルスプリングバランサー)は上肢の筋力が低下した人の食事動作などを補助する器具で、この患者には必要ありません。洗体には上肢の動きを少なくできる長めのタオルや柄付きブラシを使います。呼吸困難を理由にベッド上で過ごすと、廃用が進みます。
選択肢ごとの解説
- 1. 両手を挙上する洗髪動作は呼吸補助筋の働きを妨げ、息切れを強めます。片手ずつ、休みながら行うよう工夫します。正しくは:動作時は口すぼめ呼吸を合わせて行うよう指導します。選びやすい理由:動作を早く済ませる方法として選びやすい選択肢です。混同注意:上肢挙上と息切れ
- 2. PSB(ポータブルスプリングバランサー)は上肢の筋力が低下した人の食事動作などを補助する器具で、COPDの患者に必要なものではありません。正しくは:COPDでは呼吸法と動作の工夫を指導します。選びやすい理由:略語を口すぼめ呼吸と取り違えると選びやすい選択肢です。混同注意:PSB(ポータブルスプリングバランサー)と口すぼめ呼吸
- 3. 短いハンドタオルでは背中などを洗う際に腕を大きく動かす必要があり、息切れを強めます。長めのタオルや柄付きブラシを使います。正しくは:上肢の動きを少なくできる道具を使います。選びやすい理由:扱いやすい道具として選びやすい選択肢です。混同注意:洗体動作の工夫
- 4. 正解。口すぼめ呼吸を動作に合わせて行うと、気道の虚脱を防いで息切れを軽くでき、最も適切な指導です(公式正答)。
- 5. ベッド上で過ごすと活動量が低下し、廃用が進んで息切れが悪化します。正しくは:息切れを軽くする方法を身につけて、活動を続けられるよう指導します。選びやすい理由:安静が安全と考えて選びやすい選択肢です。混同注意:安静と廃用
国試ポイント
COPD患者のADL指導(呼吸法と動作の工夫)を選べるかが問われています。
混同注意
PSBはポータブルスプリングバランサー(上肢の補助具)のことで、口すぼめ呼吸(pursed-lip breathing)とは別のものです。
次に同じ論点が出たら
動作時のSpO2と息切れの程度を確認しながら、家事動作(洗濯・料理)の方法を具体的に指導する。
関連知識
COPDのADL指導:動作と呼吸の同調(吐きながら動く)、口すぼめ呼吸、上肢挙上や息こらえを避ける、動作を区切って休憩をとる、福祉用具(長柄ブラシ、シャワーチェアなど)の活用。