23歳の男性。2か月前から職場の業務がシフト勤務になり夜勤が入るようになった。1か月前から日中の眠気を取るために、カフェイン入りの栄養ドリンクを1日4本以上飲むようになった。妄想や抑うつ感などは特に訴えてはいないが、不眠といらだちを主訴に精神科を受診した。この患者に対して初期にすべき介入はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
患者の睡眠障害と苛立ちは、カフェインの過剰摂取による中枢神経刺激作用と睡眠覚醒リズムの乱れが原因である可能性が高い。カフェインの半減期を考慮すると、夜間勤務に伴う日中の眠気を解消するための摂取が過剰になり、症状を悪化させていると考えられるため、まずは原因となっているカフェイン摂取量を減らすことが最も直接的で優先される介入である。
選択肢ごとの解説
- 1. 精神分析的な治療は、深層心理にアプローチするものであり、カフェインの過剰摂取という明確な原因がある本症例の初期介入としては適切ではない。正しくは:まずは原因物質の除去と生活習慣の調整を行う。選びやすい理由:精神科を受診したため、精神療法が適応されると考えるかもしれない。混同注意:原因が不明確な心因性疾患の治療
- 2. 認知行動的な治療は、睡眠衛生指導などにも用いられるが、カフェイン過剰摂取による直接的な身体的・精神的影響が強い状況では、まず原因の除去が優先される。正しくは:まずは原因物質の除去と生活習慣の調整を行う。その後、必要に応じて睡眠衛生指導を含む認知行動療法を実施する。選びやすい理由:睡眠障害に対して広く用いられる治療法であるため、初期介入として適切だと考えるかもしれない。混同注意:睡眠障害全般に対する介入
- 3. 集団での活動療法は、社会性の回復や気分転換に有効であるが、カフェイン過剰摂取による身体的・精神的症状が顕著な本症例の初期介入としては適切ではない。正しくは:まずは原因物質の除去と生活習慣の調整を行う。その後のリハビリテーションの一環として検討する。選びやすい理由:精神科治療の選択肢の一つであるため、適応されると考えるかもしれない。混同注意:慢性期の精神疾患患者のリハビリテーション
- 4. 抗精神病薬は、幻覚や妄想などの精神病症状に用いられるものであり、本症例では幻覚や憂鬱な気分は特に報告されておらず、カフェイン過剰摂取が原因と考えられる睡眠障害と苛立ちに対して第一選択とはならない。正しくは:まずは原因物質の除去と生活習慣の調整を行う。精神病症状が顕著な場合や、他の治療で改善しない場合に薬物療法を検討する。選びやすい理由:精神科を受診したため、薬物療法がすぐに必要だと考えるかもしれない。混同注意:統合失調症や躁病などの精神病性障害に対する治療
- 5. 正解。患者の症状(日中の眠気、睡眠障害、苛立ち)とカフェイン摂取の増加の経緯が直接的に結びついており、カフェインの過剰摂取が症状の原因である可能性が高い。そのため、原因物質の摂取量を減らすことが最も直接的で効果的な初期介入である。選びやすい理由:症状に対してすぐに薬物療法や精神療法を検討しがちだが、原因物質の除去は最も基本的な介入である。混同注意:症状に対する対症療法
国試ポイント
生活習慣が原因で生じる精神症状に対する初期介入として、原因の除去が最も重要であることを理解する。
混同注意
薬物療法や精神療法は補助的な位置づけであり、原因物質の除去が第一選択である。
次に同じ論点が出たら
患者の症状が物質摂取や生活習慣の変化と明確に関連している場合、まずはその原因となっている物質の調整や生活習慣の改善を第一に検討する。
関連知識
カフェインの半減期は約4~6時間であり、過剰摂取は不眠、不安、振戦、心悸亢進などを引き起こす。カフェイン依存症は精神疾患の一つである。交代制勤務は概日リズム睡眠障害の原因となる。