70歳の男性。右利き。脳梗塞後の右片麻痺。歩行はできないが車椅子移動が自力でできる。車椅子への移乗は自立している。食事、整容動作は自助具を用いて自力で可能である。入浴動作は一部介助が必要である。Barthel Indexの得点が10点と採点される項目はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
Barthel Indexの採点基準では、「食事」の項目において、自助具を使用しても食物を切る行為を含め自力で摂取できる場合は10点(自立)と評価されます。設問文では「食事、整容動作は自助具を用いて自力で可能である」と明記されており、食事については自助具使用でも自立として扱われます。他の選択肢は、それぞれのBarthel Indexの採点基準に照らし合わせると、与えられた情報からは10点とはなりません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。設問文から「食事、整容動作は自助具を用いて自力で可能である」と読み取れます。Barthel Indexの食事項目では、自助具使用の有無にかかわらず自立していれば10点と採点されます。ただし、食物を切る動作も自立している必要があります。
- 2. 設問文から「整容動作は自助具を用いて自力で可能である」と読み取れます。しかし、Barthel Indexの整容項目で10点(自立)となるのは、洗顔・歯磨き・髭剃り(女性は化粧)を自助具なしで、かつ完全に他者の介助なしでできる場合です。自助具を使用している場合は、通常5点(一部介助)と採点されます。正しくは:整容が10点となるのは、自助具なしで完全に自立している場合です。選びやすい理由:「自助具を用いて自力で可能」という記述から、完全に自立していると誤解しやすいですが、Barthel Indexの整容項目における自立の定義には自助具の有無が関わります。混同注意:食事項目と混同しやすいです。食事は自助具使用でも10点ですが、整容は自助具なしで自立が10点の条件です。
- 3. 設問文から「入浴動作は一部介助が必要である」と読み取れます。Barthel Indexの入浴項目では、一部介助が必要な場合は5点(一部介助)と採点されます。10点(自立)となるのは、他者の介助なしで完全に自立している場合です。正しくは:入浴が10点となるのは、完全に介助なく自立している場合です。選びやすい理由:部分的な介助なので、もう少しで自立に近いと捉えてしまうかもしれませんが、あくまで「介助が必要」な状態です。混同注意:完全に自立している状態と、部分的な介助が必要な状態の区別。
- 4. 設問文から「歩行はできないが車椅子移動が自力でできる」と読み取れます。Barthel Indexの移動項目において、車椅子での移動が自立している場合、介助なしで50m以上の移動が可能であれば15点と採点されます。10点は「介助があれば歩行できるが、自力では歩けない」など、より重度の介助を必要とする状態を示します。正しくは:車椅子での自力移動は15点です。10点は、介助があれば歩行できるが自力では歩けない場合に該当します。選びやすい理由:10点という数字が、「完全に自立」ではないが「かなり自立している」状態と誤って連想される可能性があります。混同注意:移動項目における歩行と車椅子移動の点数配分、およびその基準を混同しやすいです。
- 5. 設問文から「車椅子への移乗は自立している」と読み取れます。Barthel Indexの移乗項目では、ベッドから車椅子への移乗が介助なしで自立している場合、15点と採点されます。10点は「介助があれば移乗できる」状態に該当します。正しくは:移乗が自立している場合は15点です。10点は、介助があれば移乗できる場合に該当します。選びやすい理由:移動と同様に、10点という数字が「自立に近い」状態と誤って連想される可能性があります。混同注意:移乗項目における自立と介助の点数基準を混同しやすいです。
国試ポイント
Barthel Indexの各項目の採点基準、特に自立の定義(自助具の有無や介助の程度)を正確に理解しているかが問われる問題です。特に、食事と整容で自助具使用時の評価が異なる点、移動や移乗の自立度に応じた点数配分がポイントとなります。
混同注意
Barthel Indexの各項目における「自立」の定義が、日常生活動作の種類によって異なることを混同しやすいです。特に、食事項目では自助具使用でも自立とみなされるのに対し、整容項目では自助具なしでの自立が求められる点が頻繁に誤解されます。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、まず患者の各ADL状況を正確に把握し、その情報がBarthel Indexのどの点数基準に該当するかを一つずつ確認することが重要です。特に自助具の有無が点数に影響するかどうか、介助の具体的な程度を注意深く読み取る必要があります。
関連知識
Barthel Indexの全項目の採点基準と点数配分、特に各動作における「自立」「一部介助」「全介助」の具体的な内容を学習しておく必要があります。FIM(機能的自立度評価法)との比較で、評価項目や点数基準の違いを理解することも重要です。