知覚検査とその方法の組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
2点識別覚は、皮膚の感受性を評価する検査の一つであり、2つの刺激源(例えばノギスの先端)を用いて、それらが別々の点として識別できる最小距離を測定します。ノギスは2点間の距離を精密に調整できるため、この検査に適した器具です。
選択肢ごとの解説
- 1. 触覚検査で筆を使用する場合、皮膚を軽くなでるように接触させますが、一般的には長軸方向に対して直角という特定の指示はありません。また、綿などの柔らかい素材で軽くなでるように刺激し、皮膚の毛を動かさないようにするのが基本です。正しくは:触覚:綿花などを用いて皮膚を軽くなでるように刺激する。選びやすい理由:触覚検査に筆や綿花が使われることは事実なので、一見正しく見えるかもしれません。混同注意:触覚検査の正しい手順や、皮膚感覚の基本に関する知識と混同しやすいです。
- 2. 温度覚検査では、熱刺激と冷刺激を識別させますが、体温に近い40℃では温刺激としての弁別が困難な場合があります。また、0℃の冷水は凍傷のリスクがあるため、臨床では使用しません。一般的には25℃程度の冷刺激と40〜45℃程度の温刺激を使用します。正しくは:温度覚:25℃程度の冷水と40〜45℃程度の温水を充填した試験管を接触させる。選びやすい理由:温度覚検査で試験管を用いること自体は正しい方法なので、具体的な温度設定を見落としがちです。混同注意:温度覚検査の一般的な温度設定と、リスクを避けるための適切な温度に関する知識と混同しやすいです。
- 3. 振動覚検査では、音叉を骨の隆起部や関節部(例えば、指尖、足関節、脛骨前縁など)に当てることで、骨伝導による振動を感じ取らせます。筋腹は主に筋肉で構成されており、振動の伝導には適していません。正しくは:振動覚:音叉を骨の隆隆部(例:指尖、骨突出部)に当てる。選びやすい理由:音叉を使うことや、身体のどこかに当てること自体は正しいと誤解しやすいです。混同注意:振動覚の伝達経路(骨伝導)に関する理解と混同しやすいです。
- 4. Semmes-Weinstein Monofilament (SWモノフィラメント) は、主に軽触覚や圧覚、特に保護感覚の評価に用いられます。受動運動覚(関節位置覚や運動覚)は、セラピストが被験者の関節を動かし、その方向や位置を識別させることで評価します。正しくは:受動運動覚:セラピストが被験者の関節を他動的に動かし、その運動方向や最終位置を識別させる。選びやすい理由:SWモノフィラメントが知覚検査でよく使われるため、他の知覚とも関連すると誤解しやすいです。混同注意:SWモノフィラメントの適応(触覚、圧覚)と、受動運動覚の評価方法と混同しやすいです。
- 5. 正解。2点識別覚は、皮膚上の2つの刺激点が同時に触れられた際に、それらを別々の点として識別できる最小距離を評価する検査です。この検査には、2つの先端を持つツール(例:コンパス、ノギス、専用の2点識別器)が適切に用いられます。ノギスは2点間の距離を正確に調整できるため、この目的に合致します。選びやすい理由:ノギスが測定器具であることから、正しいと判断しやすいです。
国試ポイント
知覚検査の種類と、それぞれの検査に適した方法および使用する器具について正確に理解しているかを問う問題です。各検査の目的と手順を具体的にイメージできるかが重要になります。
混同注意
各知覚検査の名前と、それに対応する検査方法や器具が混同しやすいです。特に、似たような道具を使う別の検査や、名前が似ているが目的が異なる知覚検査と間違えやすいでしょう。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出題された際には、各知覚検査の目的、使用する道具、標準的な実施手順、そしてそれぞれの感覚が伝わる神経経路や脳の部位まで確認できるよう学習を深める必要があります。また、検査ごとの具体的な数値基準や評価スケールも押さえておくと良いでしょう。
関連知識
深部感覚(位置覚、運動覚、振動覚)と表在感覚(触覚、痛覚、温度覚)の違い、各感覚器の解剖生理、知覚検査の具体的な実施手順と評価基準、知覚障害のパターンと原因疾患。