ビタミンと欠乏時の症候との組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ビタミンDはカルシウムの吸収促進や骨の石灰化に重要な役割を担っており、その欠乏は骨代謝に悪影響を及ぼします。小児ではくる病、成人では骨軟化症の主要な原因となりますが、高齢者のビタミンD欠乏は骨密度の低下を招き、骨粗鬆症のリスクを高めることが知られています。また、骨粗鬆症の治療においてビタミンD製剤が広く使用されることからも、この組み合わせは正しいと言えます。
選択肢ごとの解説
- 1. ビタミンAの欠乏は夜盲症や眼球乾燥症、皮膚や粘膜の乾燥などを引き起こしますが、舌炎は一般的にビタミンB群(特にB2、ナイアシンなど)の欠乏症に見られる症状であるため、この組み合わせは不適切です。正しくは:「ビタミンA:夜盲症」「ビタミンB2:舌の炎症」選びやすい理由:ビタミン欠乏症という大枠で考えがちですが、具体的な症状が他のビタミン欠乏症と混同しやすいです。混同注意:ビタミンB群欠乏症による舌炎と混同しやすいです。
- 2. ビタミンB1の欠乏では脚気やWernicke脳症が起こります。皮下出血はビタミンC(壊血病)やビタミンK(凝固異常)の欠乏でみられるため、この組合せは誤りです。正しくは:「ビタミンC:皮下の出血」「ビタミンK:出血傾向」選びやすい理由:ビタミンには多様な作用があるため、漠然と出血傾向も関係するのではないかと推測してしまいがちです。混同注意:ビタミンC欠乏による壊血病の症状(皮下出血)や、ビタミンK欠乏による凝固異常と混同しやすいです。
- 3. ビタミンCの欠乏はコラーゲン合成不全による壊血病(歯肉出血、皮下出血、関節痛など)を引き起こします。末梢神経障害は主にビタミンB1(脚気)やビタミンB12の欠乏症でみられる症状であり、ビタミンCの欠乏とは直接関連しません。正しくは:「ビタミンC:歯肉出血」「ビタミンB1:末梢神経障害」選びやすい理由:壊血病の関節痛や倦怠感が、漠然とした神経系症状と誤解される可能性があります。混同注意:ビタミンB1欠乏による脚気の神経症状と混同しやすいです。
- 4. 正解。ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、骨の健康維持に不可欠です。その欠乏は骨代謝異常を引き起こし、小児ではくる病、成人では骨軟化症の原因となります。骨粗鬆症は骨密度の低下と骨質の劣化により骨折しやすくなる疾患であり、ビタミンDの欠乏は骨粗鬆症の発症リスクを高め、既存の骨粗鬆症を悪化させる主要な要因の一つであるため、この組み合わせは適切です。
- 5. ビタミンKの欠乏は、血液凝固に必要なタンパク質の合成を妨げ、出血傾向を引き起こします。一方、壊血病はビタミンCの欠乏によってコラーゲン合成が障害され、毛細血管が脆弱になることで生じる症状であるため、この組み合わせは不適切です。正しくは:「ビタミンK:出血傾向」「ビタミンC:壊血病」選びやすい理由:どちらも出血に関連するため混同しやすいです。混同注意:ビタミンC欠乏による壊血病と混同しやすいです。
国試ポイント
各ビタミンの主要な欠乏症とその代表的な症状を正確に把握しているかが問われる問題です。特に、症状が複数のビタミン欠乏症で共通して見られる場合や、名称が似ている疾患(例:脚気と壊血病)は混同しやすいため注意が必要です。
混同注意
ビタミンB群の各ビタミン(B1, B2, ナイアシン, B12, 葉酸など)の欠乏症とその症状、ビタミンC欠乏による壊血病とビタミンK欠乏による出血傾向、ビタミンD欠乏によるくる病/骨軟化症と骨粗鬆症の関係性。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が問われた際には、ビタミンの欠乏症だけでなく、過剰症の症状や、それぞれのビタミンが関与する身体機能(例:抗酸化作用、補酵素としての機能など)についても問われる可能性があるため、多角的に学習しておく必要があります。
関連知識
各ビタミンの生理作用、吸収経路、推奨摂取量、過剰症、ビタミン以外のミネラル欠乏症(例:鉄欠乏性貧血、ヨウ素欠乏による甲状腺機能低下症など)。