認知症の重症度を判定することを目的に、記憶、見当識、判断力と問題解決、社会適応、家庭状況および趣味・関心、介護状況の6項目について5段階で評価するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
CDR(Clinical Dementia Rating)は、記憶、見当識、判断力と問題解決、社会適応、家庭状況および趣味・関心、介護状況の6つの認知機能および行動領域について、患者の状態を5段階(0:なし、0.5:境界域、1:軽度、2:中等度、3:重度)で評価することで、認知症の重症度を総合的に判定する国際的に広く用いられている評価尺度です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。CDR(Clinical Dementia Rating)は、記憶、見当識、判断力と問題解決、社会適応、家庭状況および趣味・関心、介護状況の6項目について、認知症の重症度を5段階で評価する包括的な評価尺度です。
- 2. FASTは認知症の進行段階を機能的な視点から評価するツールですが、質問文にある6項目を5段階で評価する形式とは異なります。主に日常活動の障害の程度によって段階付けします。正しくは:FASTは日常生活活動の喪失度合いに基づいて認知症の段階を評価します。選びやすい理由:認知症の重症度を評価するスケールの一つであるため、知識が曖昧だと選択肢として魅力的です。混同注意:CDRやHDS-Rなど、他の認知症評価尺度と混同しやすいです。特にCDRとは評価対象が重なる部分もありますが、評価の観点や具体的な項目が異なります。
- 3. HDS-Rは、主に軽度から中等度の認知症をスクリーニングするための簡便な質問紙形式の検査です。記憶、見当識、計算などの項目がありますが、6項目を5段階で評価する形式ではありません。正しくは:HDS-Rは、簡便に認知症のスクリーニングを行うための質問紙形式の検査で、合計点が認知機能の低下を示します。選びやすい理由:日本で広く使用されている認知症のスクリーニングツールであり、認知症評価に関する知識があればまず思いつく選択肢の一つです。混同注意:MMSE(Mini-Mental State Examination)などの他のスクリーニングツールや、より詳細な評価尺度であるCDRと混同しやすいです。
- 4. WMS-Ⅲは、ウェクスラー記憶検査の第3版であり、記憶機能を詳細に評価するためのバッテリー検査です。認知症の重症度を6項目5段階で評価する目的のツールではありません。正しくは:WMS-Ⅲは、記憶のさまざまな側面(聴覚性記憶、視覚性記憶、作業記憶など)を詳細に測定するための心理検査です。選びやすい理由:「記憶」というキーワードが含まれるため、記憶機能の評価と関連付けて誤って選ぶ可能性があります。混同注意:WAIS-Ⅲ(Wechsler Adult Intelligence Scale-Ⅲ)などの他のウェクスラー系の心理検査や、他の記憶に関する評価ツールと混同しやすいです。
- 5. この選択肢は、設問で問われている認知症の重症度を評価する標準的な尺度としては存在しません。国試の問題形式として、存在しない、あるいは一般的でない選択肢が紛れ込んでいるケースです。正しくは:この名称の標準的な認知症評価スケールは確認できません。選びやすい理由:馴染みのない名称のため、もしかしたら専門的なスケールかもしれないと勘繰ってしまう可能性があります。混同注意:他の認知症評価スケールの正式名称や略称と混同することは少ないですが、見たことのない名称に対して不安を感じやすいです。
国試ポイント
認知症の評価尺度に関する知識は、国家試験で頻繁に問われる重要項目です。特にCDR、MMSE、HDS-R、FASTなど、主要な尺度の名称、評価項目、評価目的、評価方法(段階数など)を正確に理解しておく必要があります。それぞれの尺度がどのような目的で、どのような側面を評価しているのかを区別できるようにしておくことが重要です。
混同注意
CDRとFASTはどちらも認知症の重症度を段階で評価する点で似ていますが、CDRはより広範な認知機能と生活状況を総合的に評価するのに対し、FASTは主に日常生活活動の喪失度合いに焦点を当てています。また、HDS-Rはスクリーニング検査である点も混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各認知症評価尺度の『評価対象(何を見るか)』、『評価項目数』、『評価段階数』、『主な使用目的(スクリーニングか重症度判定か詳細評価か)』を区別できているかを確認します。特に、具体的な評価項目を問われたときに、どの尺度であるかを特定できるかが重要になります。
関連知識
・MMSE(Mini-Mental State Examination):簡便な認知機能スクリーニングテスト。・ADAS-cog(Alzheimer's Disease Assessment Scale-cognitive subscale):アルツハイマー病の認知機能を詳細に評価する。・GDS(Global Deterioration Scale):認知症の全般的進行段階を評価する。