緊張型統合失調症の昏迷の治療として用いられるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
電気けいれん療法(ECT)は、薬物療法抵抗性の重症うつ病や、急性期の躁病、そして緊張病症候群(統合失調症の昏迷を含む)に対して高い治療効果を示すことが知られています。特に緊張病型統合失調症の昏迷は、不活動や拒食による身体的合併症のリスクが高く、迅速な介入が必要とされるため、ECTが選択される重要な治療法です。他の選択肢は、それぞれPTSD、認知機能障害、自閉スペクトラム症、強迫性障害といった異なる疾患に対する治療・支援法であり、統合失調症の昏迷には適用されません。
選択肢ごとの解説
- 1. EMDRは主にPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療に用いられる心理療法です。統合失調症の昏迷治療には適していません。正しくは:EMDRはPTSD治療に用いられます。選びやすい理由:心理療法の一つとして知られているため、精神疾患全般に有効と思われがちです。混同注意:他の一般的な精神疾患の治療法と混同しやすいです。
- 2. NEARは統合失調症患者の認知機能障害を改善するためのリハビリテーションプログラムです。昏迷に対する直接的な治療法ではありません。正しくは:NEARは統合失調症の認知機能障害の改善に用いられます。選びやすい理由:統合失調症の治療法の一つとして知られているため、全ての症状に適用できると考えてしまうかもしれません。混同注意:統合失調症の慢性期における認知機能改善アプローチと、急性期の重篤な症状(昏迷)に対する治療法を混同しやすいです。
- 3. TEACCHプログラムは、主に自閉スペクトラム症のある子どもたちへの教育的支援アプローチです。統合失調症の昏迷治療には関係ありません。正しくは:TEACCHは自閉スペクトラム症の教育的支援に用いられます。選びやすい理由:発達障害分野で広く知られているため、精神科領域の治療法として漠然と認識している可能性があります。混同注意:他の発達障害や精神疾患の治療・支援プログラムと混同しやすいです。
- 4. 正解。電気けいれん療法(ECT)は、薬物療法への反応が乏しい重症うつ病や、緊張病症候群(統合失調症の昏迷を含む)など、特定の重篤な精神疾患に対して効果的な治療法です。特に統合失調症の昏迷は生命に関わる緊急性の高い状態であり、ECTが迅速な改善をもたらすことがあります。正しくは:電気けいれん療法(ECT)は、緊張病型統合失調症の昏迷に対する有効な治療法の一つです。
- 5. 曝露反応妨害法は、主に強迫性障害の治療に用いられる認知行動療法の一種です。不安を引き起こす状況に段階的に身を置き、強迫行為をしないよう妨害することで、不安の低減を目指します。統合失調症の昏迷治療には適していません。正しくは:曝露反応妨害法は強迫性障害の治療に用いられます。選びやすい理由:認知行動療法の一種として知られているため、精神疾患全般に有効と思われがちです。混同注意:他の認知行動療法や不安障害の治療法と混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、精神科領域における重篤な症状、特に統合失調症の昏迷に対する緊急性の高い治療法について正確な知識があるかを問うものです。個々の治療法がどのような疾患や症状に適用されるのかを理解していることが重要です。
混同注意
精神疾患に対する様々な心理療法、リハビリテーション、教育的アプローチ、薬物療法以外の身体療法が混在しており、それぞれの適応疾患や症状を正確に区別できないと誤答につながります。特に、統合失調症の他の症状(例:慢性期の認知機能障害)に対する治療法と、昏迷という重篤な急性期症状に対する治療法を混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、緊張病型統合失調症の他の症状(例:興奮、拒食)に対する対応や、電気けいれん療法の具体的な適応条件や手技に関する知識が問われる可能性があります。また、精神科領域の他の緊急性の高い症状(例:急性期の激しい興奮、自殺企図)に対する介入方法についても確認が必要です。
関連知識
電気けいれん療法の適応疾患(重症うつ病、緊張病症候群、一部の躁病)、禁忌、副作用。また、各選択肢の治療法(EMDR、NEAR、TEACCH、曝露反応妨害法)がどのような疾患に用いられるか、その原理と目的。