移動評価において「歩行は困難であるが、介護者の見守りの下、車椅子で50 mの移動が可能である」場合のFIMとBarthel Indexの評価点との組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
FIMの車椅子移動では、50 mを見守り(監視)のもとで移動できる場合は5点です。Barthel Indexの車椅子移動(歩行不能の場合)は、50 m以上の操作が可能であれば5点です。したがってFIM 5点・Barthel Index 5点の組合せが正しいです(公式正答3)。
選択肢ごとの解説
- 1. FIMの6点は補助具などを用いた修正自立であり、見守りが必要な場合は5点です。また、Barthel Indexの車椅子移動の最高点は5点で、10点は歩行が可能な場合の点数です。正しくは:Barthel Indexを5点に修正する。選びやすい理由:Barthel Indexの車椅子項目で「介助で見守りの下」を『自立』に近いと捉え、10点をつけてしまう可能性がある。しかしBarthel Indexでは基本的に『完全自立』以外は部分的な点数となるため注意が必要。混同注意:FIMとBarthel Indexの採点基準の違い、特に『見守り』の評価点の違いと混同しやすい。
- 2. FIM 5点は正しいですが、歩行不能で車椅子で50 m移動できる場合のBarthel Indexは5点であり、10点ではありません。正しくは:Barthel Indexを5点に修正する。混同注意:各評価法の『見守り』に対する点数付けの違いや、『軽介助』の定義と混同しやすい。
- 3. 正解。FIMは見守りのもとでの50 m移動で5点、Barthel Indexは車椅子で50 m以上操作可能で5点です。
- 4. FIMの4点は最小介助(患者が75%以上を行う)であり、見守りのみの場合は5点です。正しくは:FIMを4点に修正する。選びやすい理由:FIMの『修正自立』と『見守り』を混同し、どちらも自立に近いと捉えて高得点を選んでしまう可能性がある。混同注意:FIMの『修正自立』(5点)と『監視・指示』(4点)の定義と混同しやすい。
- 5. 見守りのみで移動できるためFIMは5点です。また、車椅子で50 m移動できるためBarthel Indexは0点ではなく5点です。正しくは:FIMを4点、Barthel Indexを5点に修正する。選びやすい理由:FIMの点数を高めに評価しがちだが、『見守り』では6点や7点にはならないことを理解しておく必要がある。Barthel Indexで0点を選ぶことはないだろうが、他の選択肢との比較で誤って選ぶ可能性も否定できない。混同注意:FIMの『自立』(6点、7点)と『介助あり』(1〜5点)の明確な区別、およびBarthel Indexの『自立』(10点)と『介助あり』(5点)『全介助』(0点)の区別と混同しやすい。
国試ポイント
この問題は、FIMとBarthel Indexという代表的なADL評価指標の具体的な採点基準、特に『見守り』や『部分介助』といった介助レベルに対する点数の違いを正確に理解しているかを問うものです。各評価法における細かな定義の違いがポイントになります。
混同注意
FIMとBarthel Indexの『見守り』に対する点数設定の違い、およびFIMの『監視・指示』(4点)と『修正自立』(5点)、『自立』(6点、7点)の区別が混同しやすい。特に、FIMは介助量で点数が決まるのに対し、Barthel Indexは原則として完全自立でない場合は部分点(または0点)という考え方の違いを理解しておく必要がある。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、FIMとBarthel Indexの各項目の具体的な採点基準(特に『介助量』や『自立度』の段階)をより詳細に確認する。特に『見守り』、『部分介助』、『修正自立』といったあいまいになりがちな表現がそれぞれ何点に該当するかを正確に覚えることが重要。また、他のADL評価指標(例: HDS-R, MMSE, BI)についても同様に比較しながら学習を進める。
関連知識
FIM(機能的自立度評価法)の項目別採点基準(特に移動、排泄、整容などの自己管理系)、Barthel Indexの項目別採点基準(特に移動、食事、更衣、排泄などの基本的なADL)。各評価指標の目的、評価対象、メリット・デメリット。