Danielsらの徒手筋力テストの段階5及び4の検査で正しいのはどれか。ただし、矢印は検査者の加える力の方向を示す。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
選択肢1は、肩甲骨の内転と下方回旋の徒手筋力テスト(MMT)の正しい方法を示しています。患者は腹臥位で腕を体側に置き、検査者は肩甲骨の内側縁と下角を固定し、抵抗を下外側方向(矢印の方向)に加えています。これは、菱形筋や広背筋などの筋力を評価する際に適切な肢位と抵抗方向です。抵抗を加えることで段階4または5の筋力を評価できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。肩甲骨内転と下方回旋のMMTとして、患者の腹臥位、検査者の固定部位(肩甲骨内側縁と下角)、および抵抗方向(下外側)が適切である。選びやすい理由:図と説明が一致しており、MMTの基本原則に沿っているため、正答として選びやすい。混同注意:他の肩甲帯の筋力テスト(例:肩甲骨挙上や上方回旋)との混同。
- 2. 図2は前腕回外の運動に抵抗を加えているように見えるが、抵抗の方向(手関節を回外方向から回内方向へ押している)と検査者の補助(肘関節付近を固定)が適切ではなく、どの筋の検査か不明確である。正しくは:前腕回外の検査であれば、被検者の前腕を回外位に保ち、検査者は前腕の遠位端に回内方向の抵抗を加えるべきである。選びやすい理由:手首に抵抗を加えているため、前腕の筋力テストであると誤解しやすい。混同注意:前腕回内筋の検査と混同したり、抵抗方向が不明確なため適切なMMTの図と誤認したりする。
- 3. 図3は前腕回内の検査であるとされているが、検査者が抵抗を加えている部位(肘関節付近)と抵抗の方向(手関節を回内方向から回外方向へ押す矢印が示唆する方向)が不適切である。前腕回内の抵抗は前腕の遠位端に回外方向へ加えるべきである。正しくは:前腕回内の検査であれば、被検者の前腕を回内位に保ち、検査者は前腕の遠位端に回外方向の抵抗を加えるべきである。選びやすい理由:患者が座位で前腕を操作しているため、前腕の運動検査のように見える。混同注意:正しい前腕回内筋の検査方法との混同。
- 4. 図4は手関節伸展の検査であるとされているが、抵抗を加える方向が手関節の屈曲方向であり、手関節伸展筋に抵抗を加える正しい方法ではない。また、固定している部位も不明確である。正しくは:手関節伸展の検査であれば、被検者の手関節を伸展位に保ち、検査者は手の甲に屈曲方向の抵抗を加えるべきである。選びやすい理由:手関節に抵抗が加えられているため、手関節の筋力テストであると判断しやすい。混同注意:手関節屈曲の検査や、正しい手関節伸展の検査方法との混同。
- 5. 図5は指の中手指節関節(MP関節)伸展の検査であるとされているが、抵抗の方向がMP関節の屈曲方向ではなく、指腹側から背側へ(指を伸展させる方向へ)加えられており、これは筋力テストとして不適切である。MP関節伸展の抵抗は、指背側から屈曲方向(指を曲げる方向)へ加えるべきである。正しくは:指のMP関節伸展の検査であれば、被検者のMP関節を伸展位に保ち、検査者は指の近位指節骨に屈曲方向の抵抗を加えるべきである。選びやすい理由:指を操作しているため、指の筋力テストであると誤解しやすい。混同注意:指のMP関節屈曲の検査や、正しいMP関節伸展の検査方法との混同。
国試ポイント
Danielsらの徒手筋力テスト(MMT)における各筋の検査肢位、固定、および抵抗の方向を正確に理解しているか。
混同注意
各関節運動のMMTの正しい肢位と、抵抗の方向を混同しやすい。特に、拮抗筋の検査肢位と抵抗方向は逆になるため注意が必要。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合は、まず患者の肢位、次に検査者の固定部位、最後に抵抗を加える方向(矢印)が、評価対象の筋の作用と合致しているかを確認する。
関連知識
MMTは段階0から5の6段階評価であり、段階5は「正常(Normal)」、段階4は「良好(Good)」、段階3は「平均(Fair)」、段階2は「不良(Poor)」、段階1は「微弱(Trace)」、段階0は「麻痺(Zero)」と評価される。抵抗を加えて筋力を評価するのは段階4、5の検査である。