脊髄で運動神経の細胞体が主に存在する部位はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
脊髄の灰白質はH字型を呈し、その前方部分を前角と呼びます。前角には、骨格筋を直接支配するα運動ニューロンや、筋紡錘の感度を調節するγ運動ニューロンの細胞体が豊富に存在しています。これらの運動ニューロンは、上位中枢からの指令を受け取り、脊髄から出た後、末梢神経を介して筋肉へと情報を伝達し、随意運動や姿勢制御に重要な役割を果たします。
選択肢ごとの解説
- 1. 後角は主に感覚情報の処理に関与する灰白質の部分であり、二次感覚ニューロンや介在ニューロンの細胞体が豊富に存在します。運動神経の細胞体はここには主に存在しません。正しくは:脊髄で感覚情報の処理を主に行う灰白質は後角である。選びやすい理由:灰白質の一部であるため、一般的な神経細胞体の集積場所と誤解されやすいかもしれません。混同注意:前角(運動機能)と後角(感覚機能)の役割を混同しやすい。
- 2. 後索は脊髄の白質に属し、主に上行性の感覚伝導路(薄束、楔状束)が通っています。これは神経線維の束であり、運動神経の細胞体が集積する場所ではありません。正しくは:脊髄で深部感覚や触覚などの情報を脳へ伝える伝導路が通る白質は後索である。選びやすい理由:神経組織であるため、細胞体が存在すると誤解する可能性がありますが、索は軸索の束です。混同注意:灰白質(角)と白質(索)の機能的違いを混同しやすい。
- 3. 正解。前角は脊髄の灰白質に位置し、α運動ニューロンおよびγ運動ニューロンの細胞体が豊富に存在します。これらのニューロンは骨格筋を直接支配し、運動を司ります。
- 4. 前索は脊髄の白質であり、主に下降性の運動伝導路の一部(前皮質脊髄路など)や上行性の感覚伝導路の一部(前脊髄視床路)が通っています。細胞体ではなく、主に神経線維の束で構成されます。正しくは:脊髄で一部の運動伝導路や感覚伝導路が通る白質は前索である。選びやすい理由:前角の近くに位置するため、運動機能と関連付けて連想しやすいかもしれませんが、ここは白質です。混同注意:前角(灰白質)と前索(白質)の役割を混同しやすい。
- 5. 側索も脊髄の白質であり、主要な運動伝導路(外側皮質脊髄路)や感覚伝導路(外側脊髄視床路)が通っています。運動神経の細胞体が主に存在する場所ではありません。正しくは:脊髄で主要な運動伝導路(錐体路)や温痛覚伝導路が通る白質は側索である。選びやすい理由:外側皮質脊髄路という主要な運動路が通るため、運動神経の細胞体が存在すると誤解しやすいかもしれません。混同注意:運動路が通る場所(白質)と運動神経細胞体が存在する場所(灰白質)を混同しやすい。
国試ポイント
国家試験では、脊髄の各部位(前角、後角、側角、前索、後索、側索など)がどのような機能を持つか、どのような神経細胞体や神経線維が走行しているかを問われることが頻繁にあります。特に灰白質における神経細胞体の局在と、白質における伝導路の走行は基本的な知識として重要です。
混同注意
「角(灰白質)」と「索(白質)」の区別、またそれぞれの主要な機能(感覚か運動か)を混同しやすいです。後角が感覚、前角が運動という基本的な対応をしっかり理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、脊髄の灰白質における介在ニューロンの局在や、特定の神経核(例:中間内側核、クラーク核)がどの部位に存在し、どのような機能を持つかといった、より詳細な知識が問われる可能性があります。また、脊髄損傷時の症状と損傷部位の関連性も重要です。
関連知識
脊髄の横断面における灰白質と白質の配置、それぞれの内部にある主要な核や伝導路、上行性・下行性伝導路の名称と機能、α運動ニューロンとγ運動ニューロンの役割と支配対象(筋線維、筋紡錘)についても関連知識として押さえておくべきです。