運動単位で正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
運動単位は、1つの運動ニューロンと、その運動ニューロンによって支配されるすべての筋線維で構成される機能的な単位です。この運動ニューロンからの指令により、同一の運動単位に属する筋線維は同期して興奮し、収縮します。したがって、選択肢5の定義と、それによって導かれる機能的特性である選択肢4が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- 1. 運動単位は、運動指令を伝える遠心性(efferent)のシステムであり、運動ニューロンとその支配下の筋線維で構成されます。感覚情報を伝える求心性(afferent)線維は、運動単位には含まれません。正しくは:運動単位は遠心性線維(運動ニューロン)によって構成される。選びやすい理由:神経系全体の働きを考えると、求心性神経と遠心性神経が密接に関連しているため、漠然と運動単位にも求心性線維が含まれると誤解しやすいかもしれません。また、筋紡錘からの求心性入力が運動制御に重要であるため、運動単位の一部と錯覚する可能性もあります。混同注意:運動神経と感覚神経の機能的な違い、または反射弓全体と運動単位の概念を混同している可能性があります。
- 2. 神経支配比とは、1つの運動ニューロンが支配する筋線維の数を指します。神経支配比が高い(大きい)ということは、1つの運動ニューロンが多くの筋線維を同時に動かすため、動きの精密性は低下し、大きな力を出すのに適しています。精密な動きには、神経支配比が低い(小さい)運動単位が関与します。正しくは:神経支配比が低いほど、精密な動きができる。選びやすい理由:「支配する比率が大きい」という言葉から、コントロール能力が高いと連想されがちですが、実際には個々の筋線維への制御が粗くなることを意味します。混同注意:神経支配比の大小がもたらす運動の特性(精密性や筋力発揮)の関係性を逆にとらえている可能性があります。
- 3. 運動単位の動員順序には「ヘンネマンのサイズ原理」が適用されます。この原理によれば、活動閾値が低い小さな運動単位(運動ニューロンの細胞体が小さく、活動電位の振幅も比較的小さい運動単位)から先に動員されます。活動電位の振幅が大きい、つまり大きな力を出す運動単位は、より強い収縮が必要な場合に後から動員されます。正しくは:活動電位の振幅が小さい運動単位が先に活動を始める。選びやすい理由:「大きい」という言葉が、より強力である、あるいはより重要であるという印象を与え、先に活動すると誤解しやすいです。混同注意:ヘンネマンのサイズ原理における「小さい運動単位が先に動員される」という原則と、活動電位の振幅が示す「発生する筋力の大きさ」を混同している可能性があります。
- 4. 正解。1つの運動ニューロンから発生した活動電位は、その運動ニューロンが支配するすべての筋線維に同時に伝達されます。これにより、同じ運動単位に属する筋線維は同期して興奮し、ほぼ同時に収縮を開始します。これが運動単位の基本的な機能的特徴です。
- 5. 正解。これは運動単位の正確な定義です。運動単位は、1つのα(アルファ)運動ニューロンとその軸索、およびその運動ニューロンが神経筋接合部を介して支配するすべての骨格筋線維の集合体を指します。
国試ポイント
理学療法士国家試験では、運動単位の基本的な定義、構成要素、および機能的特性が頻繁に問われます。特に、運動単位の定義、動員順序(ヘンネマンのサイズ原理)、神経支配比が運動の精密性や力発揮に与える影響は重要なポイントです。正確な知識が求められます。
混同注意
運動単位の構成要素(求心性線維の有無)、ヘンネマンのサイズ原理における動員順序(小さい/大きい運動単位の活動開始順)、神経支配比の大小が運動の精密性や筋力に及ぼす影響について、誤解や混同が生じやすい傾向があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出題された場合、まず運動単位の定義と構成要素を正確に理解しているかを確認します。次に、その機能的特徴(例:動員順序、神経支配比の影響、同期性収縮)を問う選択肢に注目し、原則が正しく適用されているか判断します。特に、「〜が大きいほど」「〜が先に」といった比較表現や順序に関する記述は注意深く検討し、誤りがないかを確認することが重要です。
関連知識
筋収縮のメカニズム、神経筋接合部、運動ニューロンの種類(α運動ニューロン、γ運動ニューロン)、筋紡錘・ゴルジ腱器官、ヘンネマンのサイズ原理、神経支配比、運動単位の活動電位の発生と伝播。