健常者の股関節で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
選択肢2: 健常者の股関節における頸体角は成人で120~130度であり、この範囲が正常とされています。選択肢3: 恥骨大腿靱帯は股関節の伸展・外転時に緊張し、特に伸展運動の制限に寄与します。これらの記述は医学的に正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. 股関節は鞍関節ではなく、球関節(多軸性関節)です。鞍関節は母指のCM関節(手根中手関節)などが代表例です。正しくは:股関節は球関節である。選びやすい理由:関節の種類の多様性を認識しているが、具体的な例との対応が曖昧な場合に選びやすい。混同注意:鞍関節の具体的な例(母指CM関節)や、他の種類の関節(蝶番関節、楕円関節など)との混同。
- 2. 正解。健常成人の大腿骨頸体角は通常120~130度の範囲にあり、これは正常値です。選びやすい理由:具体的な角度を問われるため、知識が正確であれば選びやすい。
- 3. 正解。恥骨大腿靱帯は股関節の伸展および外転で緊張し、伸展の制限に寄与します。これは正しい記述です。選びやすい理由:股関節の主要な靭帯とその機能に関する知識が正確であれば選びやすい。
- 4. 大腿骨の垂直軸に対する『解剖学的軸(機械軸)』は約3度外側傾斜しています。また、大腿骨頭の『前捻角』は約15度であり、これは大腿骨頚と大腿骨体部の軸がなす角度です。運動軸の記述としては不正確です。正しくは:大腿骨頭の前捻角は約15度である。または、大腿骨の機械軸は垂直軸に対して約3度外側に傾斜している。選びやすい理由:『15度』という数字が、大腿骨の解剖学的特徴(特に前捻角)に関連する数値として頻出するため、知識が曖昧だと誤って選びやすい。ただし、それが『運動軸』の記述としては不適切。混同注意:大腿骨の前捻角(約15度)、大腿骨の機械軸と垂直軸のなす角度(約3度)。
- 5. 大腿骨頭は寛骨臼によって上方、後方、および大部分が被覆されていますが、前方は完全に被覆されていません。特に前下方部は被覆が不十分なため、股関節脱臼は前方脱臼が多い原因の一つとなっています。正しくは:大腿骨頭の大部分は寛骨臼に被覆されているが、特に前下方部は被覆が不十分である。選びやすい理由:股関節が非常に安定した関節であるという認識から、全体がしっかりと被覆されていると誤解しやすい。また、『完全に』という強い表現を見落としやすい。混同注意:股関節の安定性(靭帯による固定)と寛骨臼による骨頭の被覆範囲の区別。
国試ポイント
股関節の解剖学的特徴(関節の種類、角度、靭帯の機能、軸の角度、被覆範囲)を問う問題。特に、具体的な角度や機能に関する知識が重要となる。多肢選択式で複数の正解を求める形式が多い。
混同注意
股関節と肩関節の関節の種類、膝関節の靭帯との混同、各靭帯の緊張する運動方向、大腿骨の各軸の角度、被覆範囲と安定性。
次に同じ論点が出たら
次回、股関節に関する問題が出題された場合は、以下の点に注目する: 1. 関節の種類(球関節、多軸性) 2. 頸体角の正常範囲とその異常(内反股、外反股) 3. 各靭帯(腸骨大腿靱帯、恥骨大腿靱帯、坐骨大腿靱帯、大腿骨頭靱帯)の付着部位と、それぞれがどの運動で緊張・弛緩するか 4. 大腿骨の傾斜角(前捻角)や垂直軸に対する運動軸 5. 寛骨臼による大腿骨頭の被覆範囲(前方・上方・後方)とそれによる安定性。具体的な数値や機能的側面を正確に覚えているかを確認する。
関連知識
股関節は球関節であり、多軸性の運動(屈曲・伸展、内転・外転、内旋・外旋)が可能です。股関節の安定性には関節包、周囲の強力な靭帯(腸骨大腿靱帯、恥骨大腿靱帯、坐骨大腿靱帯)、および関節の形態が寄与しています。特に腸骨大腿靱帯は人体で最も強力な靭帯であり、股関節の伸展を強く制限します。