遠心性収縮が生じるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
遠心性収縮とは、筋肉が外力(重力など)によって引き伸ばされながらも、その外力に抵抗して張力を発生させている状態を指します。重力に逆らってゆっくりと動作を制御する際に多く見られます。選択肢1の「腕を頭上から下ろす」動作と、選択肢4の「立位から椅子にゆっくり座る」動作は、いずれも重力に抗して体の部位や全体をゆっくりと下ろす(あるいは着地させる)動作であり、筋肉は伸長されながら力を発揮しているため、遠心性収縮に該当します。一方、選択肢2、3、5は、筋肉が短縮しながら力を発揮する求心性収縮の例です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。腕を頭上からゆっくりと下ろす際、重力に逆らって腕の下降を制御するため、三角筋前部線維は伸長されながら力を発揮します。これは遠心性収縮の典型例です。
- 2. 懸垂で体を上へ引き上げる際、上腕二頭筋は収縮しながら短縮します。これは求心性収縮(コンセントリック収縮)です。正しくは:懸垂で体をゆっくりと下ろしていく際の上腕二頭筋(重力に抗して下ろす場合)。選びやすい理由:懸垂という運動自体が筋力を使うため、筋肉が収縮していることは確かです。筋トレのイメージが強いと、負荷がかかる収縮=求心性だと誤解しやすいです。混同注意:求心性収縮と遠心性収縮の定義を混同しやすいです。負荷がかかっていても、筋肉が短縮しながら力を発揮しているか、伸長されながら力を発揮しているかの区別が重要です。
- 3. 腕立て伏せで体を押し上げ、肘関節を伸ばす際、上腕三頭筋は収縮しながら短縮します。これは求心性収縮です。正しくは:腕立て伏せで体をゆっくりと下ろしていく際の上腕三頭筋(重力に抗して下ろす場合)。選びやすい理由:上腕三頭筋が強い負荷を受けていることは明らかで、肘を伸ばす動作の主動筋であるため、収縮しているというイメージが先行しやすいです。混同注意:選択肢2と同様に、求心性収縮と遠心性収縮の区別が曖昧になっていると間違えやすいです。
- 4. 正解。立位から椅子にゆっくり座る際、重力によって体が下がるのを制御するため、大腿四頭筋は伸長されながら力を発揮します。これは遠心性収縮の典型例です。
- 5. つま先立ちをする際、ヒラメ筋は収縮しながら短縮し、かかとを地面から持ち上げます。これは求心性収縮です。正しくは:つま先立ちの状態からゆっくりとかかとを下ろしていく際のヒラメ筋。選びやすい理由:ふくらはぎの筋肉を強く使う動作であり、収縮している感覚が強いため、正しいと判断しがちです。混同注意:全ての負荷がかかる収縮が遠心性収縮であると誤解していると、この選択肢を選んでしまう可能性があります。
国試ポイント
筋収縮の3つの様式(求心性、遠心性、等尺性)の定義を理解し、具体的な身体動作においてどの収縮様式が起きているかを正確に判断する能力が問われます。特に、重力下での動作において、主動筋がどのような収縮様式をとるかを判別できることが重要です。
混同注意
求心性収縮(コンセントリック収縮)と遠心性収縮(エキセントリック収縮)の混同が最も多く見られます。筋肉が「力を発揮している」ことと、その際に「筋肉が短縮しているか伸長しているか」を正確に区別できないと、誤った選択をしてしまいます。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、「動作の方向(重力方向か、重力に抗するか)」と「筋肉の長さの変化(短縮しているか、伸長しているか)」の組み合わせに注目します。特に、重力に逆らって「ゆっくり下ろす」「制御しながら着地する」といった動作は、遠心性収縮であると見抜くことが重要です。
関連知識
筋収縮の種類として、等張性収縮(求心性収縮、遠心性収縮)と等尺性収縮があります。各動作における主動筋、拮抗筋、共同筋の役割、および重力の影響と動作の制御メカニズムに関する知識も関連します。