副交感神経の作用で分泌が促進されるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
涙腺と舌下腺は、副交感神経の支配を受け、その活動亢進によって分泌が促進されます。涙腺は顔面神経、舌下腺は顔面神経と舌咽神経の副交感神経線維が関与します。汗腺は交感神経支配であり、レニン分泌は主に交感神経刺激や血圧低下によるもので、ノルアドレナリンは交感神経系の伝達物質・ホルモンです。
選択肢ごとの解説
- 1. 汗腺からの発汗は、主に交感神経の支配を受けます。ただし、汗腺に分布する交感神経線維はアセチルコリンを神経伝達物質として用いるという点で例外的な特徴があります。正しくは:汗腺の分泌は交感神経の作用で促進されます。選びやすい理由:自律神経が関わる分泌腺であるため、選択肢として考慮しやすいかもしれません。また、交感神経性コリン作動性という例外的な伝達様式を知らないと誤解しやすいです。混同注意:自律神経支配の基本原則(交感神経はノルアドレナリン、副交感神経はアセチルコリン)と、汗腺の例外的な支配(交感神経だがアセチルコリン作動性)とを混同しやすいです。
- 2. 正解。涙腺からの涙の分泌は、副交感神経(顔面神経)の作用によって強く促進されます。
- 3. 正解。舌下腺を含む唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)からの唾液分泌は、副交感神経(顔面神経、舌咽神経)の作用によって促進され、水分の多いサラサラした唾液が多量に分泌されます。
- 4. レニンは腎臓の傍糸球体細胞から分泌されるホルモンであり、主に腎動脈圧の低下、交感神経活動の亢進(β1受容体刺激)、および尿細管液中のNaCl濃度低下によって分泌が促進されます。副交感神経の直接的な促進作用はありません。正しくは:レニンの分泌は主に腎臓への血流量減少や交感神経の刺激によって促進されます。選びやすい理由:ホルモン分泌も自律神経によって調節されるものがあるため、選択肢として考えられるかもしれません。混同注意:ホルモン分泌調節全般と自律神経による調節の中でも特に副交感神経の作用とを混同しやすいです。
- 5. ノルアドレナリンは、交感神経の神経伝達物質であり、また副腎髄質から分泌されるホルモンです。副交感神経がノルアドレナリンの分泌を直接促進することはありません。むしろ、ノルアドレナリン自体が交感神経の作用を示す物質です。正しくは:ノルアドレナリンは交感神経の神経伝達物質、または副腎髄質から分泌されるホルモンであり、副交感神経の作用ではありません。選びやすい理由:自律神経系の主要な神経伝達物質であるため、選択肢に挙げられた際に考えやすいかもしれません。混同注意:交感神経系の主要な神経伝達物質であるノルアドレナリンと、副交感神経系の神経伝達物質(アセチルコリン)とを混同しやすいです。
国試ポイント
自律神経系の支配と、それによる各器官の機能変化に関する基本的な知識が問われています。特に、副交感神経が促進する分泌腺と、交感神経が促進する分泌腺を明確に区別できるかが重要です律神経系とホルモン分泌の関係も理解している必要があります。
混同注意
汗腺の支配(交感神経性コリン作動性)が特殊であるため、他の一般的な自律神経支配と混同しやすいです。また、レニンやノルアドレナリンといった物質が自律神経系と関連があるため、どの神経系の作用か混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、主要な内分泌腺や外分泌腺が、どの自律神経(交感神経か副交感神経か)によって、どのように分泌が調節されるか、具体的な神経伝達物質や受容体も含めて整理できているかを確認する問題が出題される可能性があります。特に、例外的な支配(例:汗腺の交感神経性コリン作動性)や、ホルモン分泌への影響(例:インスリン、グルカゴン、レニン)も注意が必要です。
関連知識
副交感神経の主な作用: 涙液分泌促進、唾液分泌促進(水様性)、胃腸運動・分泌促進、心拍数減少、気管支収縮、瞳孔収縮、膀胱収縮など。交感神経の主な作用: 発汗促進、唾液分泌減少(粘稠性)、心拍数増加、気管支拡張、瞳孔散大、立毛、血管収縮、消化管運動抑制、レニン分泌促進など。自律神経の神経伝達物質: 副交感神経節後繊維: アセチルコリン、交感神経節後繊維: ノルアドレナリン(汗腺、立毛筋、一部の血管はアセチルコリン)、交感神経節前繊維、副交感神経節前繊維: アセチルコリン。