良性腫瘍と比較した場合の悪性腫瘍の特徴はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
悪性腫瘍は、細胞の形態や構造に異常(異型性)が強く現れることが特徴です。具体的には、細胞の大小不同、核の腫大・不整、核小体の目立ち、クロマチン増量などが挙げられます。これは、良性腫瘍が比較的正常に近い細胞形態を保つのとは対照的です。その他の選択肢は、悪性腫瘍とは逆の特徴を述べています。悪性腫瘍は通常、細胞分裂が活発で(核分裂像が多い)、急速に発育し、脆弱な血管構造のために出血しやすく、周囲組織への浸潤性増殖のため境界が不明瞭であることが一般的です。
選択肢ごとの解説
- 1. 悪性腫瘍は増殖能が高く、活発な細胞分裂(核分裂像の増加)が特徴であるため、この記述は誤りです。正しくは:細胞分裂の頻度が高い。選びやすい理由:腫瘍という言葉から「増殖」のイメージはあっても、良性/悪性で細胞分裂の頻度が大きく異なる点を混同しやすいかもしれません。混同注意:正常細胞や良性腫瘍の細胞分裂頻度との混同。
- 2. 悪性腫瘍はしばしば、脆弱な新生血管や組織破壊を伴うため、出血しやすいという特徴があります。良性腫瘍に比べて出血が頻繁に見られます。正しくは:出血が生じやすい。選びやすい理由:良性腫瘍でも出血は起こり得るので、悪性腫瘍だからといって必ずしも出血するというイメージが薄い場合、この選択肢を選んでしまう可能性があります。混同注意:症状のない腫瘍や、出血しにくい種類の良性腫瘍との混同。
- 3. 悪性腫瘍は細胞の自律的な増殖能が高く、良性腫瘍に比べて一般的に急速に増殖・発育します。正しくは:成長のスピードが速い。選びやすい理由:良性腫瘍の中にもゆっくりと成長するものがあるため、悪性腫瘍の中にも同様にゆっくり成長するものがあるという誤解から選んでしまうかもしれません。しかし、一般的な特徴としては悪性が速いです。混同注意:良性腫瘍や、非常に低悪性度の腫瘍との混同。
- 4. 正解。悪性腫瘍は、細胞の核や形、大きさ、染色性などに著しい不均一性や異常(異型性)を示すことが、良性腫瘍との大きな鑑別点の一つです。
- 5. 悪性腫瘍は周囲組織に浸潤・破壊しながら増殖するため、境界が不明瞭で、しばしば偽足状に伸びることが特徴です。境界が明瞭なのは良性腫瘍の一般的な特徴です。正しくは:周囲組織との境目が不明瞭である。選びやすい理由:画像診断などで腫瘍が塊として認識できる場合、その塊全体が境界明瞭であると誤解してしまう可能性があります。混同注意:被膜を持つ良性腫瘍との混同。
国試ポイント
良性腫瘍と悪性腫瘍の基本的な病理学的特徴を比較し、その違いを正確に理解しているかを問う問題です。特に、細胞レベルでの形態学的特徴(異型性、核分裂)や、肉眼的な発育様式(増殖速度、浸潤・転移、境界の明瞭さ)が頻繁に出題されます。
混同注意
良性腫瘍と悪性腫瘍の個別の特徴は理解していても、比較した場合の「逆の特徴」を混同しやすいです。特に、「細胞異型性」と「核分裂像」の増加は悪性腫瘍の重要な特徴であり、これらを「少ない」と誤解するパターンや、増殖速度や浸潤・被膜形成の有無といった肉眼的な特徴の理解が曖昧だと間違えやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に類問が出題された際は、良性腫瘍と悪性腫瘍のそれぞれの特徴を明確に区別し、特に以下のポイントに注目してください。1. 細胞の分化度と異型性、2. 増殖様式(核分裂の頻度、発育速度、浸潤の有無)、3. 転移の有無、4. 周囲組織との境界、5. 被膜の有無。
関連知識
腫瘍の定義と分類、腫瘍の増殖様式(浸潤、転移)、腫瘍マーカー、癌の病期分類(TNM分類)、各種悪性腫瘍(癌腫、肉腫、白血病など)の臨床像、病理組織学的診断の基礎。