女性に有病率の高い疾患はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
関節リウマチは、全身の関節に炎症が起こる自己免疫疾患で、特に女性に多く発症することが疫学的に明らかになっています。一方、強直性脊椎炎、大腿骨頭すべり症、腰椎椎間板ヘルニアは男性に多く、特発性大腿骨頭壊死は男女差が小さいか、やや男性に多い傾向があります。したがって、女性に高い有病率を示す疾患は関節リウマチです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。関節リウマチは代表的な自己免疫疾患の一つであり、その発症頻度は男性と比較して女性に約3~4倍高く、特に30代から50代の女性に多く見られます。
- 2. 強直性脊椎炎は、脊椎や仙腸関節に炎症を起こす自己免疫性関節炎ですが、男性に多く発症する傾向があり、男女比は2~3:1で男性が優位です。正しくは:男性に高い有病率を示します。選びやすい理由:自己免疫疾患は一般的に女性に多いイメージがあるため、強直性脊椎炎も女性に多いと誤解しやすいかもしれません。混同注意:全身性エリテマトーデスや橋本病など、他の女性に多い自己免疫疾患と混同することがあります。
- 3. 大腿骨頭すべり症は、思春期の成長期にある肥満傾向の男子に多く見られる疾患です。男女比は2~3:1で男性に優位に発症します。正しくは:思春期の男子に高い有病率を示します。選びやすい理由:小児期に発症する股関節疾患であるため、性差を意識せずに選択肢として選んでしまう可能性があります。混同注意:ペルテス病など、他の小児股関節疾患との性差を混同することがあります。
- 4. 特発性大腿骨頭壊死は、原因不明で大腿骨頭が壊死する疾患ですが、男女差は小さいか、あるいは男性にやや多い傾向があるものの、女性に圧倒的に多い疾患ではありません。ステロイド使用やアルコール多飲がリスク因子として知られています。正しくは:男女差は小さいか、男性にやや多い傾向があります。選びやすい理由:「特発性」という名称から、特定の性別に偏りがないと思われがちです。混同注意:変形性股関節症(高齢女性に多い傾向がある)と混同することがあります。
- 5. 腰椎椎間板ヘルニアは、一般的に男性に多く見られる疾患です。男女比は2~3:1程度で男性が優位であり、特に重労働やスポーツを行う若い男性に多いとされています。正しくは:男性に高い有病率を示します。選びやすい理由:腰痛全体は女性にも非常に多いため、腰椎椎間板ヘルニアも女性に多いと誤解してしまう可能性があります。混同注意:腰部脊柱管狭窄症(高齢女性に多い)や変形性腰椎症など、他の腰部疾患と混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、主要な整形外科疾患やリウマチ性疾患における性差に関する基本的な疫学知識を問うものです。各疾患の一般的な特徴だけでなく、性別による有病率の違いを正確に理解しているかが重要となります。
混同注意
自己免疫疾患の中には女性に多いもの(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、橋本病など)と男性に多いもの(強直性脊椎炎など)が存在するため、この分類を混同しやすいです。また、同じ部位に発症する異なる疾患(例:変形性股関節症と特発性大腿骨頭壊死)の性差を混同することもあります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、選択肢の疾患が整形外科疾患か自己免疫疾患かをまず判別し、それぞれの疾患カテゴリーにおける一般的な性差の傾向を想起することが重要です。特に、自己免疫疾患においては、女性に多いものと男性に多いものが明確に分かれるため、個別の知識を確実に押さえておく必要があります。
関連知識
疾患の有病率には、性別だけでなく、年齢、遺伝的要因、生活習慣、地域差なども影響します。自己免疫疾患の性差は、ホルモンの影響や遺伝的素因、X染色体上の遺伝子など、様々な要因が複合的に関与していると考えられています。各疾患の好発年齢層や、リスク因子(例:喫煙、アルコール、肥満)についても合わせて学習すると、より深い理解が得られます。