認知症の中核症状はどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
認知症の中核症状とは、脳の器質的障害によって直接引き起こされる認知機能の障害を指します。具体的には、記憶障害、見当識障害、失語、失行、失認、遂行機能障害などが含まれます。一方、徘徊や妄想、抑うつなどは、認知症に伴う行動・心理症状(BPSD、周辺症状)であり、中核症状ではありません。これらは中核症状に付随して二次的に現れる症状や、元々の性格、環境、心理的要因などが複雑に絡み合って生じます。本問では失認と見当識障害が中核症状に該当します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。認知症の中核症状の一つであり、感覚器官に異常がないにもかかわらず、対象物を正しく認識できない症状を指します。脳の認知機能障害によって引き起こされます。
- 2. 認知症の行動・心理症状(BPSD)の一つであり、中核症状ではありません。不安や焦燥感、環境の不適応などが原因で生じることが多いです。正しくは:この記述自体は正しい行動を表していますが、「中核症状」としては誤りです。選びやすい理由:認知症の高齢者に多く見られる行動であり、テレビドラマなどで頻繁に描かれるため、認知症の代表的な症状として認識されがちです。混同注意:認知症の中核症状(記憶障害、見当識障害など)と、行動・心理症状(BPSD、周辺症状)との区別が曖昧な場合に混同しやすいです。
- 3. 認知症の行動・心理症状(BPSD)の一つであり、中核症状ではありません。特に被害妄想などがよく見られます。正しくは:この記述自体は正しい状態を表していますが、「中核症状」としては誤りです。選びやすい理由:認知症患者によく見られる精神症状の一つであり、問題行動の背景となることが多いため、認知症を特徴づける症状として捉えられやすいです。混同注意:認知症の中核症状と、行動・心理症状(BPSD、周辺症状)との区別が曖昧な場合に混同しやすいです。
- 4. 認知症に併発しやすい精神症状であり、中核症状ではありません。認知症発症の早期や、認知症との鑑別診断が難しい場合もありますが、中核症状の定義には含まれません。正しくは:この記述自体は正しい状態を表していますが、「中核症状」としては誤りです。選びやすい理由:認知症の初期症状として見られることもあり、また高齢者に多い症状であるため、認知症と関連が深いと誤解されがちです。混同注意:認知症の中核症状と、認知症に合併しやすい精神症状や身体症状との区別が曖昧な場合に混同しやすいです。
- 5. 正解。認知症の中核症状の一つであり、特に時間に関する見当識障害が早期から出現することが多いです。脳の認知機能障害によって引き起こされます。
国試ポイント
この問題は、認知症の症状を「中核症状」と「行動・心理症状(BPSD、周辺症状)」に正しく分類できるかという基本的な知識を問うものです。各症状の定義とその位置づけを正確に理解しているかを評価します。
混同注意
認知症の中核症状と、行動・心理症状(BPSD、周辺症状)が混同されやすいです。特に、徘徊や妄想、抑うつなど、一般的に認知症のイメージとして広まっている症状が、実は「周辺症状」に分類されることを理解しているかがポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点の問題が出た場合、「中核症状」に加えて「行動・心理症状(BPSD、周辺症状)」の具体的な症状が選択肢として提示され、それぞれの分類を正確に判別する能力が問われると予想されます。また、特定の認知症の病型とそれに見られる特徴的な中核症状やBPSDの組み合わせが問われる可能性もあります。
関連知識
認知症の主要な病型(アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など)とその特徴的な症状。各中核症状(記憶障害、失語、失行、失認、遂行機能障害、見当識障害)の具体的な内容。BPSD(行動・心理症状)の具体例(徘徊、妄想、幻覚、暴力、暴言、抑うつ、不安、焦燥、不眠、昼夜逆転など)と、その誘因や対応策。認知症の診断基準(DSM-5、ICD-11など)における認知症の定義と症状分類。