性欲をスポーツに打ち込むことで解消しようとする防衛機制はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
昇華は、満たされない欲求や衝動を、社会的に認められ、かつ建設的な活動へと転換する防衛機制です。性欲という強い衝動を、スポーツという社会的に健全な活動に打ち込むことで解消しようとするのは、まさに昇華の典型的な例です。
選択肢ごとの解説
- 1. 置き換え(Displacement)は、ある対象に向けられた感情(特に攻撃性や怒り)を、より安全な別の対象に向けて表現する防衛機制です。性欲を別の活動で処理するのとは異なります。正しくは:感情の対象を、本来の対象から別の対象へすり替える。選びやすい理由:欲求を「別のもの」に向けるという点で、昇華と混同しそうになるかもしれません。混同注意:昇華(Sublimation)は社会的に価値のある目標へ変換するのに対し、置き換えは単に別の対象へ感情を移す点で異なります。
- 2. 合理化(Rationalization)は、自分の行動や感情の真の動機を隠し、社会的に受け入れられやすいもっともらしい理由を後付けする防衛機制です。性欲の処理とは直接関係ありません。正しくは:受け入れがたい行動や感情に対して、もっともらしい理由をこじつける。選びやすい理由:何らかの「理由付け」をすることで欲求をコントロールしようとする行為と誤解する可能性があります。混同注意:自己の行動の正当化が目的であり、欲求そのものの転換ではありません。
- 3. 正解。昇華(Sublimation)は、直接満たすことが難しい、または社会的に容認されない衝動や欲求(例:性欲、攻撃性)を、社会的に価値のある、創造的で建設的な活動や目標に向けて転換し、解決を図る防衛機制です。性欲をスポーツという社会的に認められる活動に転換することは、この典型例です。
- 4. 退行(Regression)は、ストレスや困難な状況に直面した際に、以前の発達段階(子ども時代など)の未熟な行動様式や思考様式に戻ってしまう防衛機制です。欲求の変換とは意味合いが異なります。正しくは:ストレス状況下で、未熟な行動様式や感情表現に戻る。選びやすい理由:ストレスから逃れる手段として「何か別の行動をする」という点で、防衛機制全般と混同しやすいかもしれません。混同注意:現実からの逃避行動の一つですが、欲求そのものを建設的な方向に転換する昇華とは対照的です。
- 5. 反動形成(Reaction formation)は、自分自身の受け入れがたい衝動や感情(例:嫌悪、敵意)を抑圧し、その正反対の行動や態度を過剰に示す防衛機制です。性欲の転換とは異なります。正しくは:受け入れがたい衝動と正反対の行動や態度を過剰に示す。選びやすい理由:欲求を「別の形」で表すという点で、昇華と混同する可能性があります。混同注意:昇華が欲求のエネルギーを社会的に有益な方向へ向けるのに対し、反動形成は内面の欲求を否定し、逆の行動で覆い隠すものです。
国試ポイント
防衛機制の各概念とその具体例を正確に理解しているかが問われています。特に、似たような目的を持つように見える防衛機制(例:昇華と置き換え、昇華と反動形成)の違いを明確に区別できるかが重要です。それぞれの定義と典型例を覚えておきましょう。
混同注意
置き換え(Displacement):感情の対象を替える。反動形成(Reaction formation):受け入れがたい衝動と正反対の行動をとる。これらの防衛機制は、欲求の対象や表現が変化するという点で昇華と混同しやすいですが、その目的や方向性が異なります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、他の防衛機制の具体例とそれがどの機制に当てはまるかを判断できるかが問われるでしょう。例えば、「仕事で上司に叱られた後、家で家族に八つ当たりする」はどの防衛機制か、といった形式です。各防衛機制がどのような状況で用いられるのか、具体的なシチュエーションと結びつけて学習しましょう。
関連知識
その他の主要な防衛機制として、抑圧(Repression)、否認(Denial)、投影(Projection)、知性化(Intellectualization)、隔離(Isolation)などがあります。それぞれの定義と具体例を理解しておくことが重要です。これらはフロイトの精神分析理論の一部として提唱されました。