取り組みが始まった時期の年代順で正しいのはどれか。 ①国際障害者年、②ノーマライゼーション、③自立生活運動〈IL運動〉
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ノーマライゼーションは1950年代にデンマークで提唱された理念で、障害のある人もない人も共に普通の生活を送れる社会を目指すものです。自立生活運動(IL運動)は、このノーマライゼーションの理念を背景に、1970年代前半にアメリカで障害者自身の自己決定と社会参加を求める当事者運動として始まりました。国際障害者年は、国連が1981年を「国際障害者年」と定め、障害者の完全参加と平等を目指すための国際的な啓発活動を行ったものです。したがって、年代順は「ノーマライゼーション(1950年代)→自立生活運動(1970年代)→国際障害者年(1981年)」が正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. ノーマライゼーションは1950年代に提唱された最も古い概念であり、国際障害者年は1981年、自立生活運動は1970年代に開始されたものです。この順番は年代順として誤っています。正しくは:正しい順番は、ノーマライゼーション(1950年代)→自立生活運動(1970年代)→国際障害者年(1981年)です。選びやすい理由:国際障害者年が具体的な「年」として示されているため、何かの起点や早い時期の出来事として記憶しやすいかもしれませんが、他の概念の提唱時期よりは後になります。混同注意:各概念の具体的な提唱時期や運動開始時期が曖昧だと、年号の印象だけで判断してしまいがちです。
- 2. 国際障害者年は1981年、自立生活運動は1970年代、ノーマライゼーションは1950年代であり、最も古いノーマライゼーションが最後に来るため、年代順として誤っています。正しくは:正しい順番は、ノーマライゼーション(1950年代)→自立生活運動(1970年代)→国際障害者年(1981年)です。選びやすい理由:「障害」という共通のキーワードから、国際障害者年を真っ先に考えがちですが、運動や概念の提唱時期とは異なります。混同注意:ノーマライゼーションが国際障害者年よりも古いことはわかるが、自立生活運動との前後関係を誤解していると選びがちです。
- 3. ノーマライゼーションは1950年代で最も古いですが、国際障害者年(1981年)より自立生活運動(1970年代)の方が開始時期が早いです。この順番では、自立生活運動と国際障害者年の位置が逆になっています。正しくは:正しい順番は、ノーマライゼーション(1950年代)→自立生活運動(1970年代)→国際障害者年(1981年)です。選びやすい理由:ノーマライゼーションが最も古いことは正しく認識しているものの、国際障害者年が国際的なイベントとして印象が強いため、自立生活運動より古いと誤解する可能性があります。混同注意:ノーマライゼーションが先駆的な概念であることは理解できていても、具体的な年代が曖昧だと他の二つの前後関係を誤りやすいです。
- 4. 正解。ノーマライゼーションは1950年代にデンマークで提唱された理念で、障害者福祉の基礎となりました。その後、1970年代前半にはアメリカで自立生活運動(IL運動)が始まり、障害者自身の自己決定とエンパワメントを重視する動きが広がりました。そして、1981年には国連が国際障害者年を定め、障害者の社会参加と平等を世界規模で啓発しました。この順番が年代的に正しいです。
- 5. 自立生活運動は1970年代、国際障害者年は1981年、ノーマライゼーションは1950年代であり、最も古い概念であるノーマライゼーションが最後に来るため、年代順として適切ではありません。正しくは:正しい順番は、ノーマライゼーション(1950年代)→自立生活運動(1970年代)→国際障害者年(1981年)です。選びやすい理由:自立生活運動が障害当事者による具体的な運動であるため、何かをリードした先駆的なものと誤解してしまいがちです。混同注意:各運動や概念の提唱された国や文化的な背景と、その年代を混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、障害者福祉に関する主要な概念や運動の歴史的変遷と、それぞれの取り組みが始まったおおよその年代を正確に理解しているかを問うものです。特に、ノーマライゼーションがこれらの理念や運動の最も根源にある先行概念であること、そして具体的な当事者運動や国際的な啓発活動がそれに続くことを把握しているかが重要です。
混同注意
各概念の具体的な提唱者や国、関連する宣言(例: 国連障害者の権利宣言、世界行動計画など)と、年代を混同しやすいことがあります。また、「国際障害者年」という具体的な「年」があるため、他の概念や運動よりも古いものだと誤解する可能性もあります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、まず各概念の提唱・開始時期のおおよその「年代」を正確に把握しているかを確認しましょう。次に、それぞれの概念がどのような「国」や「人物」によって、どのような「背景」で生まれたのかを関連付けて覚えることで、より深い理解が得られます。また、これらの概念が日本の障害者福祉にどのような影響を与えたかという視点も重要です。
関連知識
ノーマライゼーションの提唱者(バンク=ミケルセン、ニィリエ)、自立生活運動の背景(公民権運動)、IL運動の拠点となった自立生活センター(CIL)、国際障害者年のテーマ「完全参加と平等」、その後の「国際障害者の10年」や「障害者の権利に関する条約」など。各概念がどのように発展し、互いに影響し合ってきたかを理解することが重要です。