Functional Reach Testで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ファンクショナルリーチテストは、立位姿勢から体を前方に傾け、腕を伸ばした際の指先から指先までの水平方向の移動距離を測定することで、前方への重心移動能力、ひいては動的バランス能力を評価する検査です。
選択肢ごとの解説
- 1. ファンクショナルリーチテストは、主に前方への重心移動能力を評価し、動的バランス能力や転倒リスクの予測に用いられます。歩行速度の直接的な予測指標としては一般的ではありません。正しくは:転倒リスクの予測や動的バランス能力の評価に用いる。選びやすい理由:バランス能力と歩行能力は関連があるため、このテストが歩行速度の予測にも使えると誤解しやすいです。多くの身体機能テストが複数の能力を評価できるため、広範な適用範囲を持つと勘違いする可能性があります。混同注意:Timed Up & Go Test (TUG) や10m歩行テストなど、歩行能力を直接評価するテスト、あるいはTinetti Balance Assessment ToolやBerg Balance Scaleといった複数の身体機能を含むバランス評価ツールと混同する可能性があります。
- 2. 正確な前方への重心移動能力を評価するためには、かかとを床につけたまま行うのが標準的な実施方法です。かかとを浮かせると、足関節の底屈運動が加わり、純粋なリーチ距離の測定ではなくなってしまいます。正しくは:リーチ中はかかとを床につけたままにする必要があります。選びやすい理由:日常生活における自然なリーチ動作では、かかとが浮くことも多いため、テスト時も許容されると誤解しやすいです。また、他の特定のバランス訓練などでかかとを浮かせることが推奨される場合と混同する可能性があります。混同注意:つま先立ちや片脚立ちなど、他のバランス能力を試すテストの一部でかかとを浮かせることが許容される場合があることと混同する可能性があります。
- 3. 正解。ファンクショナルリーチテストは、立位で基準点から前方に体を傾け、指先が到達した最も遠い点までの水平方向の距離を測定するものです。この水平距離が、前方への重心移動能力、すなわち動的バランス能力の指標となります。
- 4. ファンクショナルリーチテストは、通常、片手(多くの場合、優位な方の手)を使って前方にリーチさせます。両手で行うのは「Modified Functional Reach Test」などのバリエーションであり、一般的な「Functional Reach Test」とは異なります。正しくは:通常、片方の腕(多くは優位側)を前方にリーチさせます。選びやすい理由:日常生活で物を取る際には両手を使うことも多く、テストでも両手を使うのが自然だと誤解しやすいです。また、「Modified Functional Reach Test」の存在を知っていると混同する可能性があります。混同注意:Modified Functional Reach Testや、Berg Balance Scaleなど他のバランス評価の一部で両手を使用する項目と混同する可能性があります。
- 5. ショート身体機能評価バッテリー(SPPB)は、バランス、歩行速度、椅子立ち上がりの3つのセクションから構成されますが、ファンクショナルリーチテストはこれらの正規の評価項目には含まれません。FRTは独立したバランス評価ツールです。正しくは:SPPBの項目ではなく、独立したバランス評価テストです。選びやすい理由:ファンクショナルリーチテストとSPPBはいずれも高齢者の身体機能や転倒リスクを評価する目的で用いられるため、同じバッテリーに含まれると誤解しやすいです。混同注意:SPPBを構成するバランス項目(閉脚立位、セミタンデム、タンデムスタンス)と混同する可能性があります。
国試ポイント
ファンクショナルリーチテストの基本的な実施方法、測定対象(動的バランス、重心移動能力)、評価の目的(転倒リスク予測)が問われています。特に、どの身体能力を評価するのか、具体的な測定手順(片手・両手、踵の挙上可否、測定方向)を正確に理解しているかが重要です。他の評価バッテリーとの区別もポイントになります。
混同注意
Modified Functional Reach Test(両手で実施)、Berg Balance Scale、SPPB、Timed Up & Go Test (TUG) など、他のバランス・転倒リスク評価ツールと混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出たら、「ファンクショナルリーチテストの実施方法の詳細(開始肢位、測定対象、指示内容、注意点)」、または「他の主要なバランス評価(BBS, TUG, FIM, SPPBなど)との比較、特に各評価の目的と具体的な評価項目」に注目して学習すると良いでしょう。
関連知識
FRTの目的: 前方への重心移動能力、動的バランス能力、転倒リスクの予測。FRTの実施方法: 壁に背を向けて立ち、肩関節90度屈曲位で測定開始。優位側の上肢で指先が届く範囲を測定し、そこから体を前方に傾け、かかとを床から離さずに、可能な限り指先を伸ばす。指先の移動した水平距離を測定する。SPPBの構成: バランス(閉脚立位、セミタンデム、タンデム)、歩行速度、椅子立ち上がり。一般的に、高齢者で15cm未満は転倒リスクが高いとされます。