酸素療法機器で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
在宅酸素療法(HOT)では、患者が自宅で継続的に酸素を使用するため、高圧酸素ボンベや液化酸素タンクに代わり、空気中の酸素を分離・濃縮して供給する酸素濃縮器が主要な機器として広く用いられます。これにより、患者の生活の質向上と安全な酸素供給が実現されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 鼻カニューラは患者の呼吸パターンに影響されやすく、吸気ガス全てを供給するわけではないため、低流量システムに分類されます。正しくは:鼻カニューラは、低流量酸素供給システムに分類されます。選びやすい理由:流量設定が高めだと錯覚したり、酸素療法機器の種類が多いため分類を混同しやすい。比較的高い流量で設定されることもあるため、高流量系と誤解する可能性があります。混同注意:ベンチュリマスクなどの高流量システムと混同しやすいです。特に、高流量と聞くと鼻カニューラで高流量を設定した場合を思い浮かべがちですが、システムとしての分類は異なります。
- 2. 高流量の乾燥した酸素は気道粘膜への刺激や乾燥を引き起こすため、通常は加湿器と併用し、加湿が必須とされます。特に長時間の使用では加湿が必要です。正しくは:高流量酸素供給システムを用いる場合でも、通常は加湿が必要です。選びやすい理由:低流量酸素療法で、比較的短時間や低流量の場合に加湿を省略することがあるため、高流量でも不要と誤解しやすいかもしれません。加湿器の準備や管理の手間から、不要であれば良いと考える心理が働く可能性もあります。混同注意:加湿の必要性が酸素流量や使用時間、患者の状態によって異なる点と混同しやすいです。また、加湿が不要な特定状況と一般原則を混同することがあります。
- 3. 日本における医療用酸素ボンベの色は黒色とJIS規格で定められています。緑色は通常、炭酸ガス(CO2)に用いられます。正しくは:医療用酸素ガスのボンベは黒色で識別されます。選びやすい理由:ガスボンベの色は国によって異なる場合があり、他のガスの色や国際的な基準と混同しやすいです。緑色は医療現場でよく使われる色であるため、酸素のイメージと結びつけやすいかもしれません。混同注意:医療用ガスボンベの国際的な色分け(ISOなど)や、他のガスボンベ(例えば炭酸ガスが緑色)の色と混同しやすいです。日本のJIS規格を正しく覚えておく必要があります。
- 4. ベンチュリマスクは、外気を取り込むことで特定の酸素濃度を安定して供給できるため、高流量酸素供給システムに分類されます。正しくは:ベンチュリマスクは、高流量酸素供給システムの一種です。選びやすい理由:酸素療法機器の分類(低流量と高流量)は覚えるべき項目が多く、鼻カニューラなどと混同しやすいです。マスクという形状から、リザーバー付きマスクのような低流量系と誤解する可能性もあります。混同注意:鼻カニューラやリザーバー付きマスクなどの低流量システムと混同しやすいです。ベンチュリマスクは、設定した酸素濃度を正確に供給できる点で特徴的です。
- 5. 正解。在宅酸素療法(HOT)では、安全で継続的な酸素供給を目的として、空気中の酸素を分離・濃縮する酸素濃縮器が主要な機器として広く用いられています。これは利便性、経済性、安全性の観点から最も適しています。
国試ポイント
酸素療法の基礎知識、特に機器の分類(低流量/高流量)、それぞれの特徴、加湿の必要性、医療用ガスボンベの識別色、そして在宅酸素療法の主要機器について問われています。基本的な知識が正確に理解できているかを確認する問題です。
混同注意
低流量システムと高流量システムの区別、各機器の具体的な分類(例:鼻カニューラは低流量、ベンチュリマスクは高流量)、医療用ガスボンベの色の識別(例:酸素は黒、炭酸ガスは緑、空気は灰など)、加湿の必要性(高流量系では原則必要)などが混同されやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次回出題された場合、酸素療法の適応疾患、酸素流量とFIO2(吸入酸素濃度)の関係、特定疾患(例:COPD)における酸素投与の注意点、またネーザルハイフローやNPPVといった新しい酸素供給法の知識などが問われる可能性があります。在宅酸素療法における携帯型酸素ボンベや液化酸素についても理解を深めておくべきです。
関連知識
酸素療法に関する基本的な知識として、酸素投与の目的、適応、禁忌、合併症、流量設定、SpO2モニタリング、機器のメンテナンス、患者指導などが挙げられます。また、各種酸素投与デバイス(鼻カニューラ、酸素マスク、リザーバー付きマスク、ベンチュリマスク、ネーザルハイフローなど)の流量とFIO2の関係、メリット・デメリットについても理解が必要です。