理学療法評価における社会的情報に該当しないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
理学療法評価における社会的情報は、患者の生活背景、役割、人間関係、社会活動、生活環境など、社会との関わりを示す情報を指します。趣味、職業、配偶者の有無は直接的に社会参加や役割、対人関係に関わる情報であり、家屋内の段差は生活環境因子として社会参加の可否に大きく影響するため社会的情報に該当します。一方、体重は患者の身体的な状態を示す身体情報であり、社会的情報とは区別されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 趣味は、患者の社会参加、活動レベル、生活の質、余暇活動、社会的交流の機会に関連する重要な情報であり、リハビリテーション目標の設定や、退院後の生活指導、社会参加支援に不可欠な社会的情報です。
- 2. 職業は、患者の役割、経済状況、生活様式、社会における位置づけを示す極めて重要な社会的情報です。職場復帰の可能性や、職務内容に応じた能力評価、環境調整の必要性を検討する上で不可欠です。
- 3. 正解。体重は患者の身体的状態(栄養状態、肥満度、筋骨格系への負担など)を示す身体情報・生理学的情報であり、直接的な社会的情報ではありません。移動能力や動作への影響はありますが、社会参加や役割、対人関係といった社会的側面を直接的に反映する情報とは区別されます。混同注意:体重が移動能力や活動に影響するため、間接的に社会生活に影響すると考えがちですが、情報そのものは身体情報です。社会情報としては、例えば『体重による周囲の認識の変化』のような心理社会的な側面に言及する場合のみ該当し得ますが、単なる『体重』は身体情報です。
- 4. 配偶者の有無は、患者の家族構成、サポート体制、介護力、心理的安定性、家庭での役割など、多岐にわたる社会的側面を示す情報です。退院後の生活環境や介助者の有無、精神的な支えの有無を評価する上で重要です。
- 5. 家屋内の段差は、患者の生活環境における物理的な障壁であり、移動能力や日常生活活動(ADL)の自立度、転倒リスク、社会参加への影響を評価する上で重要な環境情報であり、社会的情報の一部とみなされます。自宅での生活のしやすさや安全性、介助の必要性を判断するために不可欠です。混同注意:単なる物理的な環境情報と捉えがちですが、自宅環境は患者の生活様式、活動範囲、社会参加の程度に直結するため、広い意味での社会的情報(または社会参加を阻害する環境要因)として評価されます。国際生活機能分類(ICF)では環境因子に分類され、社会参加に影響を与える要因として捉えられます。
国試ポイント
理学療法評価における様々な情報の分類(身体情報、生理学的情報、心理情報、社会的情報、環境情報など)を正確に理解しているか。特に、社会的情報と身体情報を区別できるかどうかが問われる。
混同注意
身体情報が間接的に社会生活に影響を与えるため、それらを社会的情報と混同しやすい。例えば、体重による移動能力の制限が社会参加を妨げるとしても、『体重』自体は身体情報である。また、環境因子(家屋内の段差など)を単なる物理的情報と捉え、社会的情報に含めないと考えてしまう可能性があるが、ICFの枠組みでは環境因子は個人と社会との相互作用に大きく影響するため、社会的情報の一部として捉えられる。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、心理社会的情報に該当しないもの、あるいは環境情報に該当するものを選ばせる形式が考えられる。また、特定の疾患や年齢層(例: 小児、高齢者)における社会的情報の具体例を挙げさせて、その重要性を問う問題も出題され得る。
関連知識
国際生活機能分類(ICF)の構成要素(心身機能・構造、活動、参加、環境因子、個人因子)の理解、特に環境因子と参加の関連。理学療法における問診事項とその分類。生活機能に関する評価項目。