脳卒中後の在宅高齢者について、ICFにおける活動の評価に最も関連する情報はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ICFにおいて『活動』とは、個人が生活の中で行う課題や行為の遂行を指します。『外出時の交通手段』は、個人が移動するという具体的な行為・課題をどのように遂行しているかを示す情報であり、『活動』の評価に最も直接的に関連します。他の選択肢は、心身機能(認知機能)や環境因子(住環境、家族関係、インフォーマルサービス)に分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 住居環境はICFの『環境因子』に分類されます。活動そのものではなく、活動のしやすさに影響を与える外部要因です。正しくは:これは活動ではなく、環境因子です。選びやすい理由:在宅高齢者の生活に密接に関わるため、重要性が高いと感じやすいですが、ICFの分類では活動に直接は含まれません。混同注意:『活動』と『参加』のどちらの視点からも重要に見えますが、ICFの定義上は『環境因子』に該当します。
- 2. 家族関係はICFの『環境因子』のうち、『人的な環境因子』に分類されます。直接的な活動の評価項目ではありません。正しくは:これは活動ではなく、環境因子です。選びやすい理由:家族のサポートは活動の維持に不可欠なため、重要な情報だと考えがちですが、ICFの定義上は環境因子です。混同注意:活動を支える要因ではありますが、活動そのもの(課題や行為の遂行)ではない点で区別されます。
- 3. 認知能力はICFの『心身機能』に分類されます。活動を行うための前提となる機能であり、活動そのものではありません。正しくは:これは活動ではなく、心身機能です。選びやすい理由:認知機能が活動に大きく影響するため、混同しやすいですが、ICFでは「機能」と「活動」は明確に区別されます。混同注意:『活動』と『心身機能』は密接に関連しますが、ICFでは区別される概念です。認知機能は機能障害の一部と見なされます。
- 4. 正解。外出時の移動手段は、ICFの『活動と参加』の構成要素のうち、『移動』という具体的な活動能力の評価に直結します。例えば「歩行」「乗り物の利用」などが含まれます。
- 5. インフォーマルサービス(近隣住民やボランティアなど)はICFの『環境因子』に分類されます。活動を支援する外部要因です。正しくは:これは活動ではなく、環境因子です。選びやすい理由:活動を支える重要な要素であるため、活動そのものと誤認しやすいですが、ICFの定義上は環境因子です。混同注意:『参加』を促進する要因ではありますが、患者自身が行う『活動』ではないため、ICFの分類では環境因子になります。
国試ポイント
ICFの各構成要素(心身機能・身体構造、活動、参加、環境因子、個人因子)の定義と具体的な分類を正確に理解しているかを問う問題です。特に『活動』と『参加』、そしてそれらに影響を与える『環境因子』や前提となる『心身機能』との区別が重要です。
混同注意
『活動』と『参加』、また『活動』と『心身機能』、そして『活動』に影響を与える『環境因子』の区別が最も混同しやすい点です。活動は「個人が行う課題や行為」に焦点を当て、参加は「生活・人生場面への関わり」に焦点を当てます。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、ICFの各構成要素の定義を再確認し、提示された情報が「その人が何をしているか(活動)」「生活・人生のどの場面に関わっているか(参加)」「身体の機能や構造がどうか(心身機能)」「周りの物的・人的環境がどうか(環境因子)」のどれに当てはまるかを冷静に判断する必要があります。特に、影響要因(環境因子や心身機能)と、それによって可能になること・行われていること(活動・参加)を区別する視点が求められます。
関連知識
ICFの「活動と参加」の章立ては、学習や応用、一般的な課題、コミュニケーション、移動、セルフケア、家庭生活、対人関係、主要な生活領域、コミュニティ・社会生活・市民生活、といった項目に分類されています。今回の『外出時の交通手段』は『移動』の項目に該当します。