変形性膝関節症で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
変形性膝関節症の患者では、疼痛による運動制限、炎症、および不活動により、膝の安定化に重要な大腿四頭筋の筋力低下や萎縮が高頻度で発生します。この筋力低下は、膝関節の機能障害をさらに悪化させる要因となるため、理学療法では大腿四頭筋の強化が重要な介入目標となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 変形性膝関節症は、特定の原因がなく発症する「一次性」のものが圧倒的に多く、加齢に伴う変化が主因とされています。正しくは:一次性が多い。選びやすい理由:外傷や他の関節疾患に続発する「二次性」のケースも存在するため、一部の知識と混同しやすい点です。混同注意:関節リウマチなどの炎症性疾患や過去の外傷による二次的な関節症と混同する可能性があります。
- 2. 変形性膝関節症は、統計的に女性、特に閉経後のホルモンバランスの変化が関係して女性に多く見られる疾患です。正しくは:女性に好発する。選びやすい理由:性差を意識しない場合や、一般的に高齢者に多いという情報だけを捉えると、誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:痛風や血友病性関節症など、男性に多い他の関節疾患と混同する可能性があります。
- 3. 日本人の変形性膝関節症では、膝の内側にある関節軟骨が主に摩耗することが多いため、膝関節がO脚(内反変形)となるのが一般的です。外反変形(X脚)は比較的稀です。正しくは:内反変形(O脚)を生じやすい。選びやすい理由:膝の変形が生じることは事実であるため、内反と外反の区別が曖昧な場合に選びやすい選択肢です。混同注意:外反母趾など、他の部位の外反変形と混同したり、まれに外反変形を呈するケースもあるため、絶対的なものではないという認識から誤って選択しやすくなります。
- 4. 変形性膝関節症は、関節軟骨の変性や摩耗が主な原因であるため、好発年齢は中高年以降、特に50歳代以降に多く見られます。正しくは:好発年齢は50歳代以降である。選びやすい理由:スポーツ外傷などによる「二次性」の変形性膝関節症は若年でも発症する可能性があり、その情報と混同しやすいです。混同注意:若年性関節リウマチやスポーツ障害、半月板損傷など、若年層に多い他の膝関節疾患と混同する可能性があります。
- 5. 正解。変形性膝関節症の患者は、膝の痛みや関節の使用を避ける傾向、炎症などにより、膝関節を伸展・安定させる主要な筋肉である大腿四頭筋の筋力低下や萎縮が一般的に認められます。
国試ポイント
変形性膝関節症の基本的な疫学、病態生理、および代表的な臨床所見について問う問題です。特に、好発年齢、性差、変形の方向性、一次性・二次性の割合、そして筋力低下といった、臨床で遭遇する頻度が高い疾患の基礎知識が問われます。
混同注意
変形性膝関節症の「一次性」と「二次性」の区別、日本人に多い「内反変形(O脚)」と「外反変形(X脚)」の違い、高齢者に多いという情報と「好発年齢」の具体的な年代、そして性差といった情報は、他の疾患の情報や部分的な知識と混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に変形性膝関節症の論点が出題される場合、病期分類に応じた症状の進行、理学療法介入の具体的な内容(運動療法、物理療法、装具療法など)、またはQOLやADLへの影響、あるいは疼痛発生のメカニズムや関節可動域制限の要因などについて、より深く問われる可能性があります。
関連知識
- 変形性膝関節症の病型分類(一次性、二次性) - 疫学(性差、好発年齢) - 主要な臨床症状(疼痛、可動域制限、膝くずれなど) - 特徴的な変形(内反膝、外反膝) - 膝関節周辺の筋群の機能と、疾患による筋力低下の関連性(特に大腿四頭筋) - 診断基準と画像所見(X線、MRIなど) - 保存療法と手術療法の種類および適応